ガエル記

散策

2024-11-01から1ヶ月間の記事一覧

『花嫁をひろった男』萩尾望都

1971年「少女コミック」春の増刊号(1971年3月) な、なんか突然絵柄が変わった?上達したように見えます。 何故でしょう。 物凄い成長期だったのでしょうか。 初読み時にはこんな風に掲載順で読んでいったわけじゃないからちょっと驚きました。 脚の描き方…

『搭のある家』萩尾望都

1971年「少女コミック」12月号(1971年2月) このシリーズでいつも使っている通称「赤本」の本作掲載巻を持っておらず慌てて検索したら『11月のギムナジウム』文庫本に収録とわかったもののその本がすぐには見つからず焦りました。内容は頭の中に入っている…

『雪の子』萩尾望都

1971年「別冊少女コミック」3月号(1971年1月) 萩尾望都の代表作と言われ初期から挙げるのならまず本作になるのではないでしょうか。 ネタバレします。 13歳の少年と少女の物語。 表紙絵のエミールは12歳の少年・・・として育てられたが本当は女の子な…

『ベルとマイクのお話』萩尾望都

1971年「少女コミック」3・4合併号(1970年12月) でこれが突き進む少女と逡巡する少年の物語。 掲載誌が講談社「なかよし」から小学館「少女コミック」へと移っている。 ネタバレします。 少年と少女のほのかな恋心をアイススケートをモチーフにして可憐に…

『ポーチで少女が小犬と』萩尾望都

1971年「COM」1月号(1970年8月) これはもう完全な萩尾望都SF世界。 今描かれたと言っても肯けます。 ネタバレします。 レイ・ブラッドベリ的でもある。 こうして続けて読んでいくと萩尾作品が常に描いているのは社会からはじき出されてしまった少女(…

『ケーキ ケーキ ケーキ』萩尾望都/原作:一ノ木アヤ

1970年「なかよし」9・10月号別冊付録 原作付きと今頃気づきました。 ケーキが題材で家族の中で孤立した少女という設定だったので萩尾望都オリジナルと思い込んでいました。 検索してたら萩尾氏が執筆前にパリから帰国したばかりの手塚治虫先生にアドバイ…

『ビアンカ』萩尾望都

1970年「少女フレンド」(1970年5月) さてここから私が本格的に読み始めた作品になります。 この作品も何度も読み返しました。 ネタバレします。 これまでの短編もよく読んでみれば萩尾望都ならではの片鱗が見られる他にはない作品だが本作になるとはっきり…

『爆発会社』萩尾望都

1970年「別冊なかよし」虹色のマリ特集号(1969年10月) ネタバレします。 ファッションショー、爆発、娘の気持がわからない母親、母親から逃げ出そうとする娘、以後の萩尾作品の特徴がいろいろと出てくる。 21世紀の話なのでSFなのだな。 威勢のいい…

『クールキャット』萩尾望都

1970年「なかよし」2月号(1969年11月) 本作『クールキャット』も実はよく目を通してなかったのですが今読み終えて参っています。にゃーん。 ネタバレします。 ここに至るともう完全に「他の少女マンガとは違う」路線としか言えない。 表紙の可愛い女…

『すてきな魔法』萩尾望都

1969年「なかよし」9月増刊号(1969年3月) すてきな表紙です。 初期の萩尾氏は少女マンガ独特の華々しさはないのかもしれませんがそれだけに今観ても逆に古臭く感じないのです。 ネタバレします。 今回の題材はカードマジック。ここでは「奇術」と呼ば…

『ルルとミミ』萩尾望都

萩尾望都のデビュー作『ルルとミミ』です。 1969年「なかよし」夏休み増刊号掲載。巻末に1969年2月と記されています。 私は『ポーの一族』が出会いの作品でしたのでこの作品は後で読みました。 ネタバレします。 デビュー作は作者が映し出されているという。…

『ヨルムンガンド』高橋慶太郎とアニメーション その6

ウゴとココ、この体格差、いいですねえ。 ネタバレします。 第30~35話「滅びの丘」 といっても物語は珍しくぼーっとなっているバルメから始まる。 しかしバルメがぼうっとしているのは彼女が失ってしまったかつての部下たちを思ってだった。 常にココに…

『ヨルムンガンド』高橋慶太郎とアニメーション その5

どれも怖い話だけど今回ものすごく怖い話だ。 ネタバレします。 第25~29話「DragonShooter」 楽しい海水浴場面から始まる。 海流に乗って流されていくヨナに「人魚が引っ張ったんだ」と言うココ。 人魚の話からドラゴンに進んでいくと言う演出うまいな…

『ヨルムンガンド』高橋慶太郎とアニメーション その4

ネタバレします。 第20話「空路」 空港の金属探知機にヨナの尻に埋まったままの弾丸が反応してしまう。 問われて「僕の尻には弾丸があるんだ」と答えるヨナ。 「遅い」と文句を言う別客を脅すバルメ。 たのしい。 第21~24話「モンド・グロッソ」 冒頭はヨ…

『ヨルムンガンド』高橋慶太郎とアニメーション その3

第11~13話「Vein」 マンガは第2巻の終わりからです。 この話でヨナの過去がわかります。予想はついてたけど辛い話。ここだけは読み(観)かえしたくない。 ネタバレします。 貨物船輸送しているココの船に兄のキャスパーが乗り込んでくる。 何しろ父親…

『ヨルムンガンド』高橋慶太郎とアニメーション その2

アニメのほう、画像拾い難くて断念。 第6~10話「ムジカ・エクス・マキーナ」 ネタバレします。 冒頭、トージョが外国人が描いた日本人らしくてよい。 そして突如登場する日本人少女殺し屋チナツ。 なんでかチナツ凄く好きだ。 というか『ヨルム』に出て…

『ヨルムンガンド』高橋慶太郎とアニメーション その1

昨日の記事の続きはもう書く気がなくなったので唐突にこちら。『ヨルムンガンド』初めて観たのはアニメの方だったと思う。 あまりにも好みすぎて続けて原作のマンガも読んだ(全巻持っている)が物凄い作画の落差に驚いたのだが再びアニメを観てやはり作品の…

『かくかくしかじか』東村アキコ その1

唐突に東村アキコ著『かくかくしかじか』です。 自分的には唐突ではなくずっと東村アキコ氏の作品を読まなくてはと思っていて(今まで読んだのは『東京タラレバ娘』の最初あたりだけ) 山田玲司「ヤンサン」で東村先生のファンになったのに作品は読んでない…

『水滸伝』横山光輝 そして 『 ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』

『水滸伝』読んでてどうしても『GR地球が静止する日』を観ずにおれなくなったので急ぎプライムdアニメストア入会して鑑賞中。 今川泰宏監督の横山光輝独り占め(どういう嫉妬)みたいな激しい演出に嫌気を感じたこともあったけど『水滸伝』読んでてアニメ鑑…

『水滸伝』横山光輝

楽しい。 昨日まで立場や規則に人生を縛りつけられ平和と幸福を求めながらも戦争という地獄に落ち込んでいく物語を味わった後では「こんなくだらない生活こっちから願い下げだ」と無法者になっていく男たちの清々しさよ。 ところで「日本では『三国志』は人…

『昭和天皇物語』能條 純一 その18

ネタバレします。 裕仁は良子に話す。 「日本人とドイツ人は似ていると言われている。堅実で勤勉で几帳面で頑固で組織愛に満ちている。形式を重んじあまり外交的でないところも似ているらしい」 良子は「だから日本はドイツと手を組んだのですか」 「だから…