ガエル記

散策

2025-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『柳田國男先生随行記』今野圓輔 その5

ネタバレします。 古典の新しい意義(第一〇日目)-昭和16年11月22日ー 昼食は長崎ちゃんぽん。またも「ちっともうまくなかった」とある。やはり材料不足なのだろうか。現在は美味しいはず。 長崎医大の文化講演は一時二〇分から。 長崎医大での座談会ー昭…

『柳田國男先生随行記』今野圓輔 その4

ネタバレします。 小倉高女の講演と延命寺の昼食会(第六日目)ー昭和16年11月18日ー 午前11時10分前、小倉高等女学校につく。柳田先生は講堂で約十人の生徒に講演を気楽になさった。 「九州と民俗学」(西部朝日新聞社講堂第二日目講演要旨)ー昭和16年11月…

『柳田國男先生随行記』今野圓輔 その3

ネタバレします。 瀬戸内海航路、別府まで(第四日目)-昭和16年11月16日ー 神戸から瀬戸内海を走る船の一等一四号室。7時に夕食。テーブルには同志社大学総長の牧野さんと大分県労務課長との四人で和食。「あまりおいしくない」と、先生。 この旅、外食が…

『柳田國男先生随行記』今野圓輔 その2

ネタバレします。 霞と靄と霧と 圓輔くんはここで「霞と靄と霧の違い」を柳田先生に問う。 柳田先生の答えは「霞は春に言うので秋から冬にかけては霧と言うね。靄というのは古くは出てないから近い頃の言葉じゃないかな」というものだった。 圓輔くんは「山…

『柳田國男先生随行記』今野圓輔 その1

字の本を久しぶりに夢中になって読んだ気がする。 いや、先だって”パトリシア・ハイスミス”本を読んだのだった。 今回は”柳田國男”について書いた本だ。してみると”誰か”について書いた本なら夢中になれるのかもしれない。 最近これまでになく柳田國男に興味…

『栞と紙魚子 何かが街にやって来る』諸星大二郎『栞と紙魚子』シリーズ5 その2

ネタバレします。 「魔術」 珍しく西洋的な黒魔術の話です。 笑いがまったくない黒い怖さです。 「何かが街にやって来る」 うって変わってほぼおかしな笑いでできています。 胃の頭町のどたばた喜劇です。

『栞と紙魚子 何かが街にやって来る』諸星大二郎『栞と紙魚子』シリーズ5 その1

ネタバレします。 「烏賊井さんの逡巡」ネムキ2001年11月号 段一知先生の編集者烏賊井さんが訪ねてきて「もののけ特集」をやるので先生に協力してほしいという。 取材費が少なくて手近なところで済ませたいらしい。 段先生は親切に「それなら「胃の頭七不思…

『栞と紙魚子と夜の魚』諸星大二郎『栞と紙魚子』シリーズ4 その2

この画像ではいったいなんのことかわかりませんね。 ネタバレします。 「顔・他」 顔(一) 諸星作品は「顔」という題材がある。 「顔」は誰でも使うじゃないかとも言えるが諸星氏が使うと特別なものになる。 本著でも段先生の奥さんのような「大きな顔」と…

『栞と紙魚子と夜の魚』諸星大二郎『栞と紙魚子』シリーズ4 その1

ネタバレします。 「雑貨の戦争」 栞が「ゴブリン」という店で紙魚子は「つくも堂」という店でそれぞれ雑貨を買ったのだが例によってそこから大騒動が起きてしまう。 栞は大きな貝と小さな貝のキーホルダー(?)紙魚子は福助、這い人形、髑髏のキーホルダー…

『栞と紙魚子 殺戮詩集』諸星大二郎『栞と紙魚子』シリーズ3 その2

ネタバレします。 引き続き、菱田きとらは段一知先生を手に入れようと考え公園の樹上から段一家の様子を望遠鏡で伺っていた。 ムルムル鍋を食べてはストーカー日記を書く。 編集者がそれを見つけそのまま社に落ち帰った。 なんとしてでも思いを遂げたいきと…

『栞と紙魚子 殺戮詩集』諸星大二郎『栞と紙魚子』シリーズ3 その1

ネタバレします。 「魔書アッカバッカ」 紙魚子の父の店「宇論堂」に「アッカバッカ」という奇妙な洋書を数冊買い取ってほしいという客がきた。 「洋書は扱っていない」と困ったが結局買い取ってしまう。 そこへ段一知先生が来て「アッカバッカじゃないか」…

『栞と紙魚子の青い馬』諸星大二郎『栞と紙魚子』シリーズ2 その2

ネタバレします。 栞の住む胃の頭(いのあたま)町に記録的な大雪が降った、という話。 ますます悪ふざけ(諸星先生の)が酷くなっていく。 この辺のふざけ方も萩尾望都っぽい気がするんだけどたんに1949年生まれのギャグなのかな。 萩尾氏の『キャベツ畑の…

『栞と紙魚子の青い馬』諸星大二郎『栞と紙魚子』シリーズ2 その1

ネタバレします。 「本を読む幽霊」ネムキ 1996年9月号 栞と紙魚子は”蔦屋敷のお嬢様”と呼ばれている鴻鳥友子から突然招待を受ける。 格別親しかったわけではないが何か相談したいことがある様子であった。 友子は紙魚子に「陳氏菜経」という本を持ってきて…

『栞と紙魚子の生首事件』諸星大二郎『栞と紙魚子』シリーズ1 その3

ネタバレします。 「クトルーちゃん」1996年ネムキvol.31 栞が突然ベビーシッターをする話。 友人のピンチヒッターで子供と遊ぶだけでいい、と言って向かった家にいた子供とは、ヨグを呼んで探していたあの不気味な女児であった。 クトルーという名前のその…

『栞と紙魚子の生首事件』諸星大二郎『栞と紙魚子』シリーズ1 その2

自転車二人乗りを描くのは難しいよね。 ネタバレします。 「ためらい坂」1995年ネムキvol.26 物凄い急勾配の坂なので下から見上げた時躊躇ってしまう、という「ためらい坂」 坂道はあの世に続いていると紙魚子は栞に話しかける。 イザナギは黄泉の国へ行き…

『栞と紙魚子の生首事件』諸星大二郎『栞と紙魚子』シリーズ1 その1

1996年9月朝日ソノラマ発行 このシリーズ読んでいなかったので楽しみです。 諸星大二郎初の少女向け作品と銘打たれています。 ネタバレします。 「生首事件」1995年 ネムキvol.23 初の少女向け作品で『生首事件』という本で初タイトルが「生首事件」 いや少…

『BOX~箱の中に何かいる~』諸星大二郎 その2

もう少しだけ。 ネタバレします。 状況限定(ソリッド・シチュエーション)型サバイバルホラー という触れ込みでこれまでにない新しい恐怖、なのではあるがそれでも諸星作品らしい歴史的説明がしっかりある。 このBOXー箱ーはいきなり現れたわけではなくてず…

『BOX~箱の中に何かいる~』諸星大二郎 その1

モーニング増刊『月刊モーニングtwo』2015年12月号~2016年6月号 モーニング増刊『月刊モーニングtwo』2016年7月号~2017年1月号、『モーニング・ツー10周年記念アンソロジーコミック』 モーニング増刊『月刊モーニングtwo…

『日本のいちばん長い日』(2015年)原田眞人

前回、冒頭ですぐ観るのが耐えられなくなってやめたのですが新旧映画作品比較のため決行しました。 なぜ観ることができなかったのか、わかりました。 が、観たことで岡本喜八版がさらによくわかった気もします。 なのでこの記事では原田眞人版と岡本喜八版そ…

『日本のいちばん長い日』(1967年版) 岡本喜八

ほんとうは2015年版原田眞人監督作品から観ようと思ったのですが冒頭で気持ちがそがれ結局1967年版岡本喜八監督作品を観ることに。 どちらにしても比較のため鑑賞はするつもりですが。 ネタバレします。 何度か鑑賞した本作。 何度観ても凄まじい狂気を感じ…

『華麗なる一族』山崎豊子

初読み(聞き?)です。 ドラマなどは一切知らず。 読んだ理由は「昭和経済高度成長期」の物語を知りたくなったからです。 ネタバレします。 とはいえ、この物語についてどれほど感想を書けるか。 とりあえず思ったことをつらつらと。 まずは冒頭から描かれ…

『昭和天皇物語』能條 純一 その22

ネタバレします。 《第134話◎山本五十六》 山本五十六は前線航空基地の将兵の労をねぎらいたいとして視察に赴いた。 南東方面艦隊第十一航空艦隊参謀三和義勇を見舞った。 さらに翌日ブーゲンビル島ショートランドへ。 そうした山本の足取りを示した暗号文は…

『昭和天皇物語』能條 純一 その21

ネタバレします。 《第130話◎一木支隊》 昭和17年(1942年)8月18日午後11時 ガダルカナル島に到着した一木支隊は米国に占領された飛行場の奪回へ向かう。 大本営は敵の数は二千人と見積もっていた。 これを知ったラバウル第17軍司令部、百武晴吉は「その見…

『昭和天皇物語』能條 純一 その20

ネタバレします。 《第125話◎次はどこを攻める》 真珠湾奇襲攻撃以降、日本海軍は、いや日本陸海軍は連戦連勝を続けた。 山本五十六は「米国に反攻の機会を与えず勝って勝って勝ち抜いて敵を圧倒し続ける、それ以外にない」と断言した。 が、日本全土各地にB…

『昭和天皇物語』能條 純一 その19

ブログ記事としては「その19」ですが巻数は16巻となります。 16巻は以前に発売されていたのですが、その時には記事にできず今回17巻発売と共に記していこうと思います。 なお、以前の記事「その18”15巻”」はこちら gaerial.hatenablog.com そしてカテゴ…

『教皇選挙』エドワード・ベルガー

アマゾンプライムにて鑑賞。 ネタバレします。 というか、あまりにも心地良い映画で何度も観ていたい。 というのはおかしいのかもしれないけど昨今映画を観るのが苦痛だったのが一気に楽しみになった気がする。 といっても心地よいものしか観れなくなってし…

諸怪志異(四)『燕見鬼』諸星大二郎 その2

ネタバレします。 「霊山」 燕見鬼と小玉は仇道人、十四娘から逃れた。 これで推背図の予言が一つ当たったことになる。 小玉はかつて家庭教師をしてくれた碣村の方臘先生を頼ることにした。 ふたりが碣村を訪れると遊手(無職の徒)が迫ってきたが方先生の声…

諸怪志異(四)『燕見鬼』諸星大二郎 その1

諸怪シリーズ現在の最終巻となります。 ネタバレします。 宋の頃、京師開封の城外に劉真人、通称五行先生という道士がいた。 その弟子に幼名阿鬼という見鬼の子供がいた。 寵児て燕光、字を青眸、通称燕見鬼と呼ばれるようになった。 「万年楼」 見鬼は呂太…

諸怪志異(三)『鬼市』諸星大二郎 その3

おお、映画を観続けるターンに入ったか、と思いきや『十二人の怒れる男』のみで脱落しました。戻ります。 いやここ以上に興味を持てる映画がない。 ネタバレします。 「小玉」 燕見鬼は五行先生から預かった「推背図」をとある人に届ける役目を仰せつかって…

『十二人の怒れる男』シドニー・ルメット(1957年製作)

名作の名高い本作。 私も何度か鑑賞してはいるのですがおおよそのイメージはあるものの詳細は思い出せず、もう一度確かめたくなり再鑑賞しました。 ネタバレします。 「ほんとうにそれほどの名作と言えるのかねえ」という疑惑のもとに観始めた。 昨今、映画…