2025-10-01から1ヶ月間の記事一覧
ネタバレします。 〔第三信〕「ナルム山紀行」 『COMICアレ!』1994年12月号(マガジンハウス社) もういったいどうしてここまで嘘つくのやめてもらっていいですか。 ほんとうにどうしてこんな大虚言が思いつくのかわからない。 オゴリはナルムを妻とし、ナ…
ネタバレします。 第二部 「夢の木の下で」 『COMICアレ!』1997年3月号(マガジンハウス刊) ツーライの地は高い絶壁に東西を挟まれた細長い谷のようだという。 ツーライの住人ひとりひとりはモボクという一本の木と共に暮らしている。 モボクとツーライ人…
ネタバレします。 「ブラック・マジック・ウーマン」 『増刊WEEKLY漫画アクション』1979年8月31日号(アクションコミックス【コンプレックス・シティ】収録) 諸星氏自伝エッセイ風で導入しながら途中から恐ろしいサバト情景となる。 うっかり「窓の無い」ア…
戻ってまいりました。諸星大二郎読マンガ。 まだまだ作品ありますからなあ。 ネタバレします。 第一部 「壁男PART1」 『COMICアレ!』1995年11月号(マガジンハウス刊) 壁男の登場。自分語りで「壁男とはなにか」の説明がなされる一話である。 うすぼ…
賛否両論になる「最終章」ですが、私はこの映画を撮るためにⅠとⅡがあると思っています。 なんならこの作品だけでもいいわけですがやはりこの悲劇を理解するためにはⅠとⅡが必要ではあるわけで。 ⅠとⅡでは嫌いだったアル・パチーノ=マイケル・コルレオーネも…
引き続き『ゴッドファーザー PARTⅡ』 前作を凌ぐ映画術を見る。 Ⅰではほとんど描かれなかったケイの存在が重くなる。 あまりにも父ヴィトー・コルレオーネのパートが素晴らしいのでその記憶しかなかったのだが今観ると気になるのはやはりマイケルのパートの…
何度も観返した映画である。 映画作品としてのすばらしさはもうこれ以上話す必要はないと思える。 ので、適当に思ったことを書き連ねる。 日本人にとってこの映画の衝撃の一つはこの舞台が第二次世界大戦直後1945年から始まるということではないか。 冒頭の…
ネタバレします 終章 解き放たれる「想像の共同体」、紡ぎだされるネットワーク ついに終章まで辿りついた。 本書におけるまとめがされている終章である。 「シャーマンの増殖」という現象の謎を解きながらシャーマニズムによるルーツ探求を通してモンゴル・…
ネタバレします。 6章 国境を越えるシャーマニズム 2 ロシア・ブリヤート人たちのモンゴルへの旅 ロシア・ブリヤートの人々は一般的にはモンゴル・ブリヤートをブリヤート人とはみなさず「モンゴル人」と呼びならわす。そんなモンゴル・ブリヤートのところ…
ネタバレします。 5章 「女性」として想像されるルーツ ____________粛清の記憶と「ホイモルの女房」信仰 3 語り手としてのシャーマン 「ホイモルの女房」を巡る不可解な「伝承」の裏側では帝政ロシア支配下にあったブリヤートの人々に実際に降りかかった「…
ネタバレします。 5章 「女性」として想像されるルーツ ____________粛清の記憶と「ホイモルの女房」信仰 1 ホイモルの女房を巡る信仰 ホイモルの女房は、モンゴルブリヤートのシャーマニズムにおける諸精霊の中でほぼ唯一神像として形象化されている精霊で…
ネタバレします。 4章 創り出されるルーツ 1 ルーツの断絶したシャーマンたち まず紹介されるのはツェレン・ザイランと呼ばれる最高位のシャーマンである。 1999年夏、モンゴル国ドルイド県で筆者はザイランに会った。 彼は社会主義時代に秘密裏にシャーマ…
ネタバレします。 3章 シャーマン誕生とルーツ探求運動 2 モンゴル世界における父系系譜の意義とその忘却 ブリヤートの人々は系譜とクラン名をよく記憶していると言われている。 これに対しモンゴル国の多数派集団ハルハ人はこれが忘れ去られている、という…
ネタバレします。 2章 ルーツ信仰としてのシャーマニズム 4 ルーツ化する精霊たち モンゴル世界において神とは神格化した天空そのものであった。 現在、アガ・ブリヤートのシャーマンたちに共通して信仰される神として”オイホン13公”が上げられる。この神…
ネタバレします。 2章 ルーツ信仰としてのシャーマニズム 3 イニシエーション、あるいはブリヤート文化の再学習 「カッコウが鳴くと、ボーの季節が始まるのだ」 シャーマンの儀礼の多くは夏から秋にかけて5月~8月にとり行われる。 (9月は冬なのか) 一番…
ネタバレします。 2章 ルーツ信仰としてのシャーマニズム 1 シャーマンとシャーマニズム ここで我々にはすっかりなじみとなった「シャーマン」という言葉が19世紀ブリヤート人学者ドルジ・バンザロフによるとトゥングース語の「サマン」に由来するというの…
ネタバレします。 1章 ポスト社会主義期における宗教とエスニシティ 3 モンゴル研究・ブリヤート研究におけるエスニック集団論 本節は役者に光を当てるスポットライトである。 多国家に居住するモンゴル系集団。これはもう小さな島国の中で多数派として居住…
昨日、いつものようにここの記事リンクをXにポストしたらなんと本作の著者である島村一平氏に「いいね」&「引用」いただいてしまいました。 喜びと共に恥ずかしさでいっぱいです。 さらに引用にまでツェベクマさんの話を書いてくださり感謝するばかりです。…
序章 「増殖するシャーマン」 1 モンゴル・ブリヤートという悲劇 「国民国家(ネーションステート)とは近代が生み出した最大の《呪術》だった。 という文章から始まる。 近代そして現代でもその呪術は解けてはいない。むしろそれは複雑に執拗にからみつい…
1973年アメリカ制作 流れでどうしても観てしまった。 やはり面白い。 ネタバレします。 ホラー映画の金字塔なのだが子供時代に観た時は良さはわからず変な脅し方をするし大の大人の男がふたりなんだかなあと思っただけであった。ヒロインの愛らしさも理解で…
2005年アメリカ制作映画でアマプラでもしょっちゅう目にしていたのになぜか初鑑賞である。 昨今映画ドラマ鑑賞にまったく集中力が続かず難儀していたが本作は気持ちがそがれることなく見続けられた。 ホラーサスペンスなら退屈しないだろうと思われるかもし…
ネタバレします。 第4章 阿加流比賣(あかるひめ) 筑紫の島の東の端 国の前 この海の向こうの常世へ行こうとするオオタラシが誓約するにはふさわしい場所ではないかと考えた。 波打ち際に鳥居が建てられていた。ずっと前、赤女の村にあったものと同じであり…
3巻に入ります。 ネタバレします。 「阿加流比賣之巻」 第1章 豊玉姫 磯良はトヨと相対し互いが相容れぬと解する。 トヨはサイモチの神こそ古より海を支配してきた、と説き磯良はワニなどが神ではない。海神の御子ミケツが常世への海道を開くと答える。 だが…
ネタバレします。 第3章 穴門 穴門(あなと)では武振熊が海人たちの襲来を待ち構えていたが子犬を連れてきたミケツと出会う。 なんの邪念もなく問いかけるミケツに武振熊は拍子抜けする。 だがその背後には銛を持った磯良と百済将軍がいた。 小島で浜子はト…
2巻に入る。 ネタバレします。 「筒之男之巻」 四世紀古代日本 海底火山の爆発、津波、不漁、さらに南方の凶暴な隼人族の北上 次々と起こる災害に多くの海人たちが海を追われ北へと移動していった。 そこに登場した巫女オオタラシと海から来た謎の海童ミケツ…
ネタバレします。 第3章 常世 人々の間に「常世へ行こう」と説く巫女のオオタラシの言葉が広がっていく。 オオタラシの側にいつもいる海童ミケツがそこへ連れて行ってくれるというのである。 オオタラシの姿がなんともかつてのヒッピーの姿を彷彿とさせる(…
うわあ、これ、持っていた一巻のみだと思い込んでいて軽く感想書いちゃいますか、と考えてたら三巻まであったと今知る。 なんだか一巻の終わり、終りって感じだったから疑ってなかった。 これから読みます。 ネタバレします。 デジタル版の写真、紙媒体では…
このインパクト見てほしい。 ネタバレします。 「真夜中のプシケー」《ビッグコミック増刊》1975年1月号 本作もまたストーリーそのままならやや「よくある話」になりそうなのを演出の巧みさで読ませてしまう。 クラブ勤めの雅子は「浮草のような生活に嫌気が…
「奇想天外コミックス」1978年 諸星大二郎著コミックスで最も愛着のある一冊だと思う。 「読者がこういう本を買っているのに新装版が出て」と諸星氏が心配してくれているのであろう。 紙の本であれば新装版もまた良きものではあるが。 ネタバレします。 「貞…
ネタバレします。 「追跡ルポ 波子を捜して」 マッドメンシリーズの特集本のために描かれたもの。 (私が読んだのは『オンゴロの仮面』のみなので続きもぜひ読みたいところ) 「マッドメン」の連載中にはパプアニューギニアには行ったことのなかった諸星氏は…