2026-01-01から1年間の記事一覧
表題作『或る「小倉日記」伝』は松本清張が43歳の時に「三田文学」(1952年昭和27年9月号)に発表し一旦直木賞候補になりながら芥川賞受賞するというトリッキーな経緯を持つ。 この時、松本清張は「直木賞候補になったから直木賞発表を見たらなかったのでが…
ネタバレします。 このアニメでほっとしているのは最近のアニメでうんざりしている「硬い作画」でなく「柔らかな作画」で描かれているところなのかなと思う。 人物も背景も描かなければ表現できない世界なのだから。 モンゴルのルールがさまざまに教えられる…
少し前谷崎潤一郎と『細雪』にはまっていた時にどうしても観ることができなかった『細雪』映画第一弾がまさかのYouTube無料配信なのですが二週間の限定期間なのでなにもをとりあえず鑑賞してみました。 www.youtube.com ネタバレします。 1959年版1983年版映…
ネタバレします。 『張込み』1955年12月号「小説新潮」 映画はもう何度も観た作品である。 この作品で清張は女性に強い同情をしている。 確かに彼女は年の離れた吝嗇の夫から苦しい束縛をされ愛情の無い窮屈な毎日を送っているが度を越した折檻や理不尽があ…
つづけます。 ネタバレします。 第4話『反射』1956年9月号「小説新潮」 これを読んで「松本清張作品というのは悪漢小説なんだ」と今頃気づかされた。 清張小説は氏自身の半生もあって貧しい主人公が社会に抗う犯罪が多い。 やむにやまれず、というような同情…
では最初からいきます。 ネタバレします。 第1話『顔』1956年10月「大日本雄弁会講談社ロマン・ブックス」(元・講談社) 松本清張作品でも有名で何度も映像化されている。 このブログでは1959年版岡田茉莉子主演映画と2009年NHKドラマについて記事にしてい…
松本清張初期ミステリ傑作集と銘打たれています。 本著の中で『なぜ「星図」は開いていたか』は3番目収録なのだがタイトルが気になりすぎて最初に読みました。 ネタバレします。 第3話『なぜ「星図」は開いていたか』1956年4月号「小説新潮」 ミステリ短編の…
ネタバレします。 第2話になって文句なしにおもしろい。 いや、あのエロシーンはどうなんだろう。 脳内のイメージだからもう少し違うエフェクトでやれるような気がする。 原作通りにやりたかったのだろうからやむを得ないけど。 まあ・・・ほとんどやってな…
ネタバレします。 『再春』1979年2月号「小説新潮」 本来この作品を読みたくて本著「隠花の飾り」を購入したのだが戸惑っている。 ネタバレします。 6月28日付のブログ記事に書いた『春の血』(「延命の負債」収録)松本清張1958年「文藝春秋」に掲載された…
ネタバレします。 『百円硬貨』1978年7月号「小説新潮」 妻子ある男と不倫関係に陥った伴子。その関係は四年越しであった。 男は本気で妻に離婚話を続けていたのだが妻はどうしても承知しないのだという。 ふたりの逢引はモーテルのような場所であり次に別の…
ネタバレします。 最近はアニメを鑑賞能力が低下してなかなか観ているのが辛いのだけど本作は第3話がますます面白くなってきて信じられないほどの集中で観ることができた。 これまではなんとなく運命に流されてきたシタラが目覚めて復讐心に火が付く展開とな…
1961年7月号 ~1962年12月号「小学館」 酒井順子『松本清張の女たち』の中で「お嬢さん探偵」として紹介されていたので読みました。 ネタバレします。 「お嬢さん探偵」と言っても女性向けにほのぼの書かれているわけではなくやっぱり嫌な話が題材になってい…
ネタバレします。 『北の火箭』1978年3月号「小説新潮」 以前読んだ「松本清張全集34」に収録されていた『ハノイで見たこと』から生まれた小説だろう。 gaerial.hatenablog.com 『北の火箭』ではふたりの日本人男性、評論家と雑誌記者の視点から見たふたり…
松本清張短編集を読むほどの楽しみはない。 ネタバレします。 『足袋』1978年1月号「小説新潮」 こういうことが絶対に現在にないわけじゃないけどやはり2016年の現在では男女が逆になるのではないか。 むろんそのまま男女性別が逆転するわけではないが。 昭…
2026年7月 マンガはちょっと見でアニメ鑑賞しました。 ネタバレします。 マンガを読んで正直ちょっと自分の世界ではないかなあ、という(なにしろいつもは松本清張読を読んでいるような輩なのだ)気持ちがあっての鑑賞だったがアニメの出来が良く視聴し終え…
昨日『粗い網版』と続けて書いたけど『陸行水行』もう少し書きたくなりました。 ネタバレします。 『陸行水行』 この作品、松本清張としては『魏志倭人伝』の考察のみを書きたいくらいだったのにそれでは小説にならないし誰も読んでくれないだろうということ…
この『粗い網版』がなぜか私には読みづらくて脱落しました。 ネタバレします。 『粗い網版』1966年「別冊文藝春秋」 こういう読んだだけでわからない小説こそドラマ化してほしい。 小説がすぐにそのままAIドラマ・アニメ化できるようになればいいなあ。 とは…
2026年7月 どうなるのかなと期待と不安の原作遵守という触れ込みの新作アニメ。 鑑賞しました。 ネタバレします。 観ていて恥ずかしいのはなぜだろうか。 自分で作ったかのように恥ずかしかった。 いや私はそれほどの『甲殻』ファンでもないし原作当時からの…
wowowにて鑑賞。 マンガも少し読んだけでほぼ知らず。 話題になっていて気になり鑑賞しました。 ネタバレします。 というほど何も言えないけどとても面白く次が気になる。 私はイスラムの方はさっぱりわからないがモンゴル舞台の作品はこれまでそれなりに観…
これまで読んだ松本清張作品では最もおぞましい怖い小説ではないでしょうか。 ネタバレします。 『皿倉学説』1962年「別冊文藝春秋」 これも学者の話だが”科学者”はこれだけらしい。 とはいえ気の強い怖い本妻がおり若い愛人を作って困窮する、という枠組み…
松本清張短編を読むのが楽しすぎてもう少しこの楽しみに浸っていきます。 『笛壺』冒頭に主人公が”武蔵境の駅で降りて歩いてきた”という文章があった。 先日Xで「村上春樹の新作『夏帆』に武蔵境が出てくる」と知ったばっかりで記憶に鮮明。 本作は主人公が…
1967年「別冊文藝春秋」 名作として名高い本編一作が残っていたので慌てて読む。 ネタバレします。 一読するとシンプルな短編なのだがその内容は複雑である。 そのイメージは書道で書いた傾いた「月」の形である。 それは年老いた歴史学者の前に現れた四十歳…
2026年「Amazon MGMスタジオ・ディストリビューション」 アマゾンプライム見放題にて鑑賞。 公開前、映画製作の話を聞いてから我慢できず原作をaudibleで聴き 公開後は多くの方からの感想と数えきれないほどの二次絵を見て待ちました。 もうほぼ鑑賞したよう…
続けます。 ネタバレします。 『子連れ』1965年「小説新潮」 松本清張作品を読み続けていくとほぼ同じような設定が繰り返されていくことに気づく。 普通ならこれは悪口になってしまうのだろうけど清張の場合はそれだけではないと思えてしまう。 松本清張作品…
ようやく逃げ出して戻って参りました。 やはり本物を味わうのが最高です。 ネタバレします。 『いきものの殻』1967年「別冊文藝春秋」 なんとなく筒井康隆を思わせる。 というか筒井康隆が松本清張的だったということか。 読んでこなかったからこういう逆転…
昨日に引き続き『霧の旗』の考察を読んでいったのだがどうにも進むべき道を間違っているような気がしてここまでとしたい。 『霧の旗』の原作小説及び山田洋二監督映画を観てこのような感想・考察をしていくのは個々によるものだが私にとってはあまり共感する…
膨大な数の松本清張作品の沼に足を踏み入れてからまだ間もない私であります。 読んだ数はまだ読んでいない数のどのくらいの割合になるのやら見当もつかないのですがここにきてふと気づいたのはこの「昭和の代表作家」と呼ぶべき松本清張の解説本、評論集、分…
小説を書く時、いや他のジャンルでもだがこの『賞』のようなタイトルをつけてしまうと検索するのが大変なので気をつけましょう。 どうしても『松本清張賞』という検索結果がでてしまう。AIが勘違いしてしまうのでした。 ネタバレします。 『賞』1957年「新潮…
ネタバレします。 『ひとり旅』1954年「別冊文藝春秋」 この話も清張氏の経験をもとに描かれている。 主人公・田部は貧しい境遇だったために「旅」に憧れていた。 地理の教科書もその夢を見させた。 が、現実にはあり得ないと諦めていた彼が初めて「旅行」し…
短編集 ネタバレします。 『延命の負債』1977年9月号「小説新潮」 短編ミステリーのお手本のような構成。 切れ味凄い。 清張氏は自身が印刷業であったから印刷会社の話が多い。 本作でも主人公は個人経営の印刷会社を経営している。 非常に仕事熱心なのだが…