ガエル記

散策

2026-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『配達されない三通の手紙』野村芳太郎/原作:エラリー・クイーン『災厄の町』

1979年「松竹」 このDVD脚本●野上龍雄と記されている? 映画冒頭に脚本は「新藤兼人」と出てくるのだが? しかもどう考えても新藤兼人の方が有名なのに??? よくわからない謎である。 ネタバレします。 上の件は別としてもとにかく不思議が溢れている映画…

『わるいやつら』野村芳太郎/原作:松本清張 三年ぶり再鑑賞

1980年「松竹」 再鑑賞です。 以前書いた記事はこちらにあります。 gaerial.hatenablog.com ほぼ同じ感想を持ちましたが、今回は日本近代史としての鑑賞でもありますのでもう一度書いてみます。 ネタバレします。 上記事の日付を見たら三年前の2月28日であっ…

『Cloud クラウド』黒沢清

2024年「日活 東京テアトル」 wowowオンデマンドにて鑑賞しました。 偶然見つけたものですが昨日記事にした是枝監督『怪物』と比較してしまいました。 大きな話題になった『怪物』に私は落胆を覚えましたがまったく知らずにいた本作『Cloud クラウド』に感嘆…

『怪物』是枝裕和

2023年「東宝」 アマゾンプライムにて鑑賞しました。 なかなか観る勇気が持てなくてついにやっと決意しました。 ネタバレします。 観る勇気がないと言ったのは「かわいそうな子ども」を描いているからではないかと予感して怖かったからだ。 その予想に反して…

『桜田門外ノ変』佐藤純彌/原作:吉村昭

2010年「東映」 wowowオンデマンドにて鑑賞しました。 ネタバレします。 本作もまた『閃光のハサウェイ』テロリスト参考作品として鑑賞。 『226』に引き続き本作も「なぜここに至ったのか」の説明なく「桜田門外の変」に突入する。勉強してから観ないと何が…

谷崎潤一郎『細雪』そして山崎豊子の『ぼんち』

谷崎潤一郎小説はこれまでいくらか読んでみてもそれ以上ハマる感じはなくてこの『細雪』にまでたどり着いていなかったのだが今回実践中の「近代日本作品を読む・観る」でやはり無視できない感じがあった。 特に今現在、世界が不穏な予感を偲ばせる中読むと谷…

『蛇の道』「修羅の極道 蛇の道」(1998)黒沢清

1998年「大映」 以前観たような気がするがよくわからない・・・こんな恐ろしい映画を。 それが怖い。 ネタバレします。 いやあおもしろかった。 黒沢清だからなにかあると思っていてもおもしろかった。 冒頭のくねくねした坂道をゆっくり車で走る、というと…

『お嬢さん乾杯!』木下惠介

1949年「松竹」 1949年3月公開映画、つまり戦後間もない頃の映画ですね。 ネタバレします。 他愛ないラブコメ、という前情報のせいもあって今まで観ずにいたがとても良い映画だった。 戦後間もない頃、没落した元華族の泰子と自動車修理工の30代男・圭三とが…

『女系家族』三隈研次/原作:山崎豊子

1963年「大映」 『ぼんち』のすぐ後の鑑賞だったので観始めはあまりの猥雑さにやや引いた。『ぼんち』も猥雑ではあったものの輪をかけた凄さに止めようかと思ったものの見続けて良かった。 ネタバレします。 おもしろかった。 凄まじい。 女性の物語は古今東…

『ぼんち』市川崑/原作:山崎豊子

1960年「大映」 船場の話を知りたくて鑑賞しました。 ネタバレします。 これはとんでもない良作品だった。 などという評価はおこがましかもしれないが先日同じく市川崑監督作品『細雪』を観た時はかなりがっかりしたのだけどこちらはまったく違う趣があった…

『この子の七つのお祝いに』増村保造/原作:斎藤澪

1982年「松竹」 ずっと以前に鑑賞したのだけど、すっかり忘れてしまい再鑑賞したいと思い続けていました。 なにやら恐ろしいという記憶だけがありました。 ネタバレします。 「ものすごい」と形容するしかない不思議作品だ。 増村保造監督作品は一時期かなり…

『226』五社英雄と『閃光のハサウェイ』富野由悠季

今朝の記事中で「富野由悠季は『閃光のハサウェイ』で『226』をイメージしてはいないだろうが」と書いた。 後で気になって『閃光のハサウェイ』を検索したら『226』映画公開時と同じ1989年だった。 つまりバブル最盛期にふたつのテロリズム作品が発表された…

『226』五社英雄

1989年「松竹」 2月、となれば一度は226事件について考えてみてもいいだろう。 ということで鑑賞する。 ネタバレします。 数年前観ようと思った時はあまりにかっこつけているようで耐え切れなかったが今回は抵抗なく観てしまった。なぜだろう。 今現在の時流…

『砂の器』松本清張 その2 『砂の器』の意味はなにか

書き進めていきます。 ネタバレします。 野村監督映画『砂の器』を観た後に原作小説を読んで思うのは果てしなきじれったさだ。 映画は143分にまとめるためにトントンと話が進む。 それゆえに映画観賞は実に心地よく感動へと運ばれていった。 だが松本清張の…

『砂の器』松本清張 その1 あの名作映画への疑問

この記事で書くのは松本清張著『砂の器』です。野村芳太郎監督映画については補助としてのみになります。 とはいえ私は、野村芳太郎監督・橋本忍脚本の映画『砂の器』を二十歳の頃、リヴァイバル上映で観て感動したものです。 長い間その記憶を持っていたの…

『顔』大曾根辰夫/原作:松本清張

1957年「松竹」 不思議な映画だった。 現在ここまで奇妙な映画を作るのは難しいのではないか。 ネタバレします。 田舎でも特に貧しい家の生まれ育ちだったというヒロイン水原秋子は女ひとりで東京に出てファッションモデルの夢をかなえつつある。 そんな時に…

『黒の奔流』渡辺祐介/原作:松本清張

1972年「松竹」 山﨑努と岡田茉莉子の戦いを観よ。 ネタバレします。 私が松本清張を長く読まなかった理由は本を覗くとあまりにも字が小さくて二段になっていて無理だった、というしょーもないのがあるのだけどもうひとつは批評として「怖くて嫌な女しか出て…

『霧の旗』山田洋次/原作:松本清張/脚本:橋本忍

1965年「松竹」 松本清張原作は1959年~60年「婦人公論」 おもしろい!!! 久しぶりに「おもしろい!!!」と叫びたくなるような映画だった。 なにこれなにこれ! どうしてもっと早く観なかったのか? 再上映してほしい。 ネタバレします。 正直言うと山田…

『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』村瀬修功

2021年「サンライズ」 昨日も書いたけど以前観た時は「なにいってるのかさっぱりわからない」という印象だった本作。 今回観なおしたら驚くほど内容がつかめて呆れてしまった。 自分の中に何かのアプリが入って解像度があがったかのようだった。 ネタバレし…

『逆襲のシャア』再鑑賞『閃光のハサウェイ』のために

「日本近代史」を続行中だが、Xであまりに『ハサウェイ』騒いでいるのでたまらず『ハサウェイⅠ』を鑑賞後続けて『逆襲のシャア』観てしまった。 ネタバレします。 というのはここらへんはもういらないのか。 もうネタバレされすぎてるか。 『ハサウェイ』三…

『白と黒』堀川弘通/オリジナル脚本:橋本忍

1963年「東宝」音楽:武満徹 オリジナル脚本:橋本忍というので鑑賞した。 ネタバレします。 さてはまず目的の橋本忍脚本の部分を取り出してみる。 若年弁護士・浜野は恩師弁護士の妻と不倫関係にあったが諍いを起こして彼女を絞殺してしまう。 逃げ出した浜…

『松吉伝』───風雲児外外伝─── みなもと太郎

2003年~2004年「斬鬼」/番外編2008年描き下ろし 寄り道です。 今朝、偶然Xポストで知った本作『松吉伝』 みんな読もう松吉伝! https://t.co/xWwbNACUNa — ムゲンホンダナ:漫画を100年読んでみた ∞ (@hondanamotiaru) 2026年2月2日 ここで『松吉伝』と書…

『悪霊島』篠田正浩/原作:横溝正史

1981年「角川映画」 ネタバレします。 映画は1980年ジョン・レノンが暗殺されたというニュースを聞いた三津」木五郎がビートルズの歌と共に1969年の自分とその時に起きた事件を思い出す、というはじまりになっている。 そして舞台は五郎が1969年の時代の流行…

『八つ墓村』野村芳太郎/原作:横溝正史 その4 主題は「父親憎悪」

昨晩の記事から続けて書きます。 ネタバレします。 先日『八つ墓村』新作映画発表にXがざわめくのを見て驚いた。 私はなぜこんなにも日本人が『八つ墓村』に引き寄せられるのかがよくわからなかったのだ。 半日考えてやっと何かが見えてきた。 日本人は「父…