ガエル記

散策

戦争

『ヨルムンガンド』その2

昨日は『ヨルムンガンド』の作者・高橋慶太郎氏の絵はあまり巧くないが、と書いたのですが同時にとても上手くて魅力があるのです。 特にキャラクターの描き方がとても好きなのです。 日本のアニメとマンガは強く関係していてそれほど好みの違いは異なってい…

『ヨルムンガンド』高橋慶太郎&アニメ

小説やマンガは何度読みかえすかわからないほど繰り返す私ですが、アニメはよくできたものでもなかなか観なおすのは腰が重いのです。 ところが本作『ヨルムンガンド』アニメは数えきれなくなるほど観返してしまっているのです。 いったいこの作品のなにが私…

『JFK』オリバー・ストーン その2

「真実を語ることができない国にきみたちは住みたいのか」 という言葉をギャリソンが言い放つ場面がありました。(おおよその記憶) ところでわが国ではこの言葉の持つ意味はほとんどないように思えます、今現在。 もちろんそうではない国になりたいのですが…

『JFK』オリバー・ストーン

しばらくブログを書けずにいました。理由のひとつは仕事が忙しかったからなのですが、もうひとつはちょうど観始めたのが映画『JFK』でこれが非常に面白いのですが簡単に感想をまとめきれるような代物でなくしかも他に様々気を取られることがあって(コロナと…

『海と毒薬』熊井啓

太平洋戦争期、実際にあった生体実験に関わった二人の若い医師の心を描き出していく。 遠藤周作原作小説を映画化したものです。 テーマからして重々しく謹厳な面持ちで鑑賞するべきものですが、ふたりの若い医師、勝呂=奥田英二、戸田=渡辺謙のほんとうに…

『八月の狂詩曲(ラプソディ―)』黒澤明

こんなに良い映画だったんだなあ、としみじみと感じました。 黒澤監督後期の作品で時代劇でもアクションものでもないようなのでなんとなしに見送ってしまっていましたが、とんでもなく素晴らしい映画でした。 やはり黒澤映画らしいがっしりとした骨太な感覚…

『はじまりのみち』原恵一

とても良い映画でした。映画監督・木下惠介が戦時中に病の母親を疎開させるというエピソードを中心にして当時の日本の状況と家族の情愛を細やかに描いた作品でした。 木下惠介監督製作の『陸軍』はラストが「女々しくて戦意を失わせる」とされ次回作を見送る…

『ペスト』カミュ その1

headlines.yahoo.co.jp 私は録画しておいたので今現在観ております。 尚且つこの放送後も読まないままだった本著『ペスト』をやっと読み始めました。 紙の本を待っていられないのでkindleで。 そして「100分de名著」を観る、という複合技を繰り出しています…

『武器人間』リチャード・ラーフォースト

日本のポスターのほうが良いデザインなのは希少ですね。第二次世界大戦中、ソ連軍がナチスの占領地区で怖ろしい人体実験の施設を発見します。そこではフランケンシュタイン博士の末裔が行っていた武器と人間を合体させた最強の兵士が製造されていました。 ソ…

『キングダム・ソルジャーズ -砂漠の敵-』マーク・ミュンデン

先日アマプラで偶然観てしまった『ベイビーブラザー』で久々私的大興奮推奨映画監督となったマーク・ミュンデンのもっと以前2007年の映画です。 最初に観た映画が良かったからと言って必ずしもということはありませんが『ベイビー』の感じからしてあまり心配…

『悪魔の飽食』森村誠一

高校生の時に怖ろしくて読めず今初めて読んだつもりでしたがこの長い時間にあれこれと読んだものがあったので初めて読んだような気がしませんでした。もしかしたらいつの間にか読んでいたのかもしれません。 他の日本軍加虐事例と同じくこれも「でたらめだ、…

山上たつひこ『光る風』読みます。

www.amazon.co.jp 偶然、山上たつひこ『光る風』が読めることになって小躍りしています。 いやこんなこともあるのですね。 事の起こりはジャンプマンガ『僕のヒーローアカデミア』の登場人物「志賀丸太」という名前が問題になったことからなのですが。 第二…

『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』 スティーヴン・スピルバーグ

報道は政府のためにではなく国民の知るためにある。 そして裁判は報道の自由の勝利を明快に下す。 地方紙ながら記事の高い水準を自負するワシントンポスト。夫の自殺によって発行人の席に座ることとなった妻のキャサリン。当時、女性がそうした地位に就くこ…

『最後のジェダイ/スターウォーズエピソード8』ライアン・ジョンソン

ep7『フォースの覚醒』にスターウォーズの破壊だとがっくりし脚本最悪ではと本シリーズに失望した私ですがep8『最後のジェダイ』は一転こちらはマジで面白いと思ってしまいました。 監督J・J・エイブラムスとライアン・ジョンソンの差異なのでしょうか。…

『レベレーション』5 山岸凉子

年末に購入して読みました。一年に一度クリスマスに読める山岸凉子マンガ『レベレーション』は楽しみです。 が、内容は想像していた通りですが大変辛いものです。 ジェンヌ・ダルクが華やかに活躍できたのは一時期だけで他はひたすら苦渋の日々です。 山岸凉…

『シスの復讐/スターウォーズエピソード3』ジョージ・ルーカス

2020年初の映画鑑賞は『シスの復讐/スターウォーズエピソード3』となりました。 数日前から「『スターウォーズ』シリーズは新しい時代の旧約聖書となる」説を謳っている私ですが『シスの復讐』はまさしくその名にふさわしい内容であります。 『スター…

『ファントムメナス』スターウォーズ・エピソード1

はい。世間で最終章が公開されている折、1を観ていましたよ。 この映画は以前観たはずですがよほどぼんやり観てしまったのか、ほとんど記憶に残っていなかったのでした。 といってもところどころが記憶に残っていました。 本作『ファントムメナス』はスター…

『ターミナル』スティーヴン・スピルバーグ

実をいうとかなりの話題作だったにもかかわらず今回初めての鑑賞でした。監督がスピルバーグだったのも観終わった後で知りました。だからあんなにテレビで宣伝されていたのですね。 宣伝のイメージもあってなんだか観る気がしなかったのですが、今回観てとて…

『いだてん〜東京オリムピック噺〜』

脚本/宮藤官九郎ですが、私はとにかく明治~昭和前期が舞台になるということで期待大でした。特に最近気になっている226事件が扱われているといいなというような関係ない部分に注目していたのですが、ドラマが始まってしまうと思った以上に面白く毎週楽しみ…

『移動都市/モータル・エンジン』

この画像を観ておおいに期待したのです。なんともかっこいいではありませんか。重く暗いスチームパンク作品を想像しました。 いや確かにそういう世界を目指して作られたものであろうとは思いますが、全体に重さも暗さも物足りないし、面白くなりそうなのを徹…

『機動戦士ガンダム』と『オルフェンズ』

風邪をひき始めてから観始めたファーストガンダム(アマプラにて)観終わりました。風邪もほぼ治りました。どちらもよかったです。 何度観たかはもう覚えていませんが何度観ても素晴らしい作品であります。 ファーストを語る年配者を若き人はうざがるでしょ…

『機動戦士ガンダム』24話「トリプル・ドム」

非常に内容の濃い1話です。 大きくはなんといってもマチルダさん(マチルダ中尉)の活躍と死が描かれることです。 ホワイトベース内男子たちのマチルダ人気の沸騰ぶりがおもしろい。なんといっても根暗でいじけた性格とキャラ付けされているアムロがマチルダ…

『ガンダム』エピソード14「時間よ、止まれ」自己犠牲などくそくらえ

これがこの回のご褒美場面、お美しい ぐったりガンダム ジオン兵のみなさんがた 昨日自己犠牲を礼賛するアニメは嫌だ、という旨の記事を書きました。 『ガンダム』を観ていたらちょうどこれはそうではない、的なエピソードがありました。 エピソード14「時…

シャアという男

風邪が長引いているので『ガンダム』続けます。 最初『ガンダム』を観た時にシャアは確かにカッコいいけど美形悪役の典型と言うだけと思っていたはずですが、シリーズをずっと見ていくと彼こそがガンダムの主人公だったということが判るのですね。 ではなぜ…

ガンダムの中の女性たちとアムロ

初代だけでなくガンダムシリーズで言えるのは女性の描き方が日本の他のアニメ作品とは全く違うという事です。 今でもどうかと思うことはありますが、あの当時日常ものでもそうですし特に戦争を扱った作品の中では設定が未来であっても戦闘員・乗組員が男性ば…

『京城学校:消えた少女たち』イ・ヘヨン

男ばかり出てくる映画は数えきれないほどあります。学校もの、軍隊もの、刑務所もの、宗教もの、仕事もの。 それは性別だけ変えれば女ばかり出てくる映画になれるものばかりですが、その数は男性の比較にとてもならないと思えます。 なぜならどうしても映画…

『西部邁発言②「映画」斗論』佐高信、寺脇研

西部邁氏の本を読むのは初めてです。 お名前は聞いたことがあったけどそれくらいですし、申し訳ないのですが自殺の報道くらいしか知らないのですが、なんとはなしに手に取ってしまいました。 もちろん映画についての対談だということで興味が惹かれたのです…

『ゲーム・オブ・スローンズ』最終章 鑑賞完了 その2

昨晩書いた記事は特にネタバレもしてなくて単にティリオン・ラニスターがいかに魅力的で稀有なキャラクターか、ということを述べただけになってしまいました。眠かったのであれが精一杯でした。(夜9時はもうおねむ) とにかくティリオンがこの物語の主役、…

『チェルノブイリ』2~5

ただただ怖ろしい。 1980年代の事故とはいえ人間には原子力を扱う能力はなかったし、今も無いし、これからもあり得ないでしょう。 どうしてこの力を人類が持ってしまったのでしょうか。いくらある種の能力が高いのだと言ってもそれに支払う代価が高すぎるの…

『飼育』大島渚

大江健三郎原作小説未読です。 作品概要の 昭和二十年の夏、ある貧しい山村に米軍機が墜落。村人たちの山狩りにより、搭乗者である黒人兵が捕まった。地主の鷹野一正は、黒人兵の足首を鉄の鎖で固定し、村で“飼育”することにした。 というのを見て躊躇してし…