ガエル記

散策

権利

元農水事務次官長男殺害事件

この事件への「抒情酌量の余地あり」という反応は上級市民だからというのでしょうか。それとも本当に多くの人が被告に同情しているのでしょうか。 もし真実に被告の殺人が共感され執行猶予を求められているのなら怖ろしいことだと思っています。 私は法律も…

『いだてん〜東京オリムピック噺〜』

脚本/宮藤官九郎ですが、私はとにかく明治~昭和前期が舞台になるということで期待大でした。特に最近気になっている226事件が扱われているといいなというような関係ない部分に注目していたのですが、ドラマが始まってしまうと思った以上に面白く毎週楽しみ…

刑罰

news.yahoo.co.jp この話、つまり「日本の刑罰で無期懲役と判決を受けた場合、15年くらいで出所してしまうからヤバい」というのはよく我が家でも、というかうちの夫が話していて私自身も知らないし調べようともせずに「そんなことって?」とだけ思い続けてい…

『TRUE DETECTIVE/二人の刑事』シーズン2そしてシーズン3

シーズン3 シーズン2 TRUE DETECTIVE/二人の刑事シーズン1があまりに面白くてシーズン2に入りましたが出だしにつまずきどういうものか入り込めなかったので「結局1だけが面白いのかも」とあきらめて違う作品を探していたのですが気を取り直して飛ばして…

『赤穂城断絶』深作欣二

少し前にテレビ放送で途中から観てあまりの面白さに最初から観たかったーと思っていたらアマプラに登場していて早速鑑賞しました。 なんだろう、この小気味よさは。 映画始まってすぐに殿中にて浅野内匠頭が吉良上野介に切りつける場面がありますが「度重な…

『アパートの鍵貸します』ビリー・ワイルダー

名作映画、と言えば必ずタイトルがあがってくるであろう一作だと思うのですが、私はどういうわけだか何度も挑戦しているのになぜか前半で興味を失って後半までたどり着けないでいます。 とにかく上司の浮気のために自分のアパートを貸す、というのがあまりに…

『ウィンド・リバー』のコリーは『モヒカン族の最後』のホークアイ

最近にしては珍しく二度観てしまいました。 腹の底から唸り声をあげて訴えるような凄みのある映画です。この苦しみがわかるか?どうすればいいんだ?どうすれば? 何もかもが悲しくてやりきれない映画です。 怖ろしい土地に住む主人公の男と都会から来た美人…

『ウィンド・リバー』テイラー・シェリダン

昨日観た『ジェフリー・ダーマー』のジェレミー・レナーに惚れ込んでしまっての本作です。いやジェフリーが本作主人公になるとは思えませんが、あの映画もまた本作も自分の思い通りにはならない人生の過酷さを見つめた作品であると思えます。 この映画は単な…

「男女を恋愛不全にするアニメでいいのかって話です」

一昨日と昨日の記事に画像つけてみました。 文章はそのままです。 先日岡田斗司夫さんのニコ生放送で過去動画を流されていたのですがその中で「ロリアニメは女性を恋愛不全にさせる」という定義が示されていてそれに続く説明を興味深く聞きました。ここでい…

「ロリアニメは女性を恋愛不全にするか」Ⅱ

1971年にテレビ放送されたアニメ『ルパン三世』の峰不二子と1973年アニメ『キューティハニー』が現在のロリアニメと言われる幼女向けアニメの元祖であると思っています。 かつて他のアニメ作品に登場する女子はあくまでも主人公男子の介添え役か男性作家が女…

「ロリアニメは女性を恋愛不全にするか」Ⅰ

先日岡田斗司夫さんのニコ生放送で過去動画を流されていたのですがその中で 「ロリアニメは女性を恋愛不全にさせる」 という定義が示されていてそれに続く説明を興味深く聞きました。 ここでいう「ロリアニメ」というのは幼女向けに作られた可愛い女の子が出…

『コットンクラブ』フランシス・フォード・コッポラ

ポスターでもわかるように当時ばりばりの二枚目俳優だったリチャード・ギアと同じく美しいダイアン・レインによる暗黒街の恋物語、という映画ですが映しておきたかったのは黒人ダンサーたちのタップダンスだったに違いない、と私は思っています。 というのは…

『女王陛下のお気に入り』ヨルゴス・ランティモス

見るもおぞましい宮廷映画、と言うべきなのでしょうか。 豪華絢爛な衣装、奇怪なかつらや化粧に彩られた貴族という名前の醜悪な生物たちの物語でした。 さまざまに従来の貴族物語、宮廷絵巻という特に女性にとって憧れの世界がこうまでグロテスクに描かれた…

肩書より個人でいたい

30代や20代後半の日本人の女性で自分のことをオバさんという人いるけど、オバさんの力量も魅力もない若造が自分をオバさんと呼ぶのは傲慢であるだけでなく、女の価値を年齢で図るバカ男目線に媚びているアホですと宣言しているわけで、いいかげんやめた方が…

『[月因]脂扣(ルージュ)』關錦鵬(スタンリー・クワン)

この映画の情報やレビューなどを見ようと思って検索しても自分自身の過去ブログが先だって出てきてしまいどうも悲しいです。もっと皆さんこの素晴らしい映画を観ようではありませんか。 ちなみに私が持っているDVDは2002年に買ったものですが、今amazon見る…

「タツノコプロ」自己犠牲礼賛の精神を謳い続けてきたアニメ

礼賛 わたしの子供時代にはアニメ作品数というのが少なかったせいもありましたし深夜枠を録画して、などというようなことはできないしとにかく直接観る、という世界でしたからアニメなら何でも見る、というのが基本でした。 ですから四の五の言わずに観るわ…

『一人っ子の国』ナンフー・ワン、ジアリン・チャン

なぜでしょうか。困りました。 2019年サンダンス映画祭にてグランプリを受賞した衝撃のドキュメンタリー作品なのに「知ってた」内容だったからです。 もちろんそれは単なる「噂」的に知っていただけでこのようにきちっと証言を取っていたわけではないわけで…

『ソドムの林檎〜ロトを殺した娘たち』廣木隆一

2度このドラマの感想を書こうとして中断しこれが3度目ですが、いまいち乗り気になれないのは結局このドラマの題材が「美醜にこだわる女」という事だと思います。 女というのは美醜で人生が決まると思っているけどそうではない、という論旨は正解なのかどうな…

女性の誇りを奪うな!

献血ポスター「宇崎ちゃんの乳袋」問題から『彼方のアストラ』作者さんの連ツイと続き、この「女性性で興味を惹きつける違和感問題」と「表現の自由問題」が絡みあう論争が続いています。 献血、という極めて重要で真面目なポスターにおいて、女性の乳房の効…

男女の性意識 清純派かエロ派かどちらも同じ

映画の話など書こうと思っていたのですが、ツイッターでのジェンダー騒動に喚起されてしまいました。 長く生きて来てこれほど男女の性意識についてあれこれと問答し合ったことがあったでしょうか。 もちろんこれはネット上だからこそ思う存分話せていること…

『西部邁発言②「映画」斗論』佐高信、寺脇研

西部邁氏の本を読むのは初めてです。 お名前は聞いたことがあったけどそれくらいですし、申し訳ないのですが自殺の報道くらいしか知らないのですが、なんとはなしに手に取ってしまいました。 もちろん映画についての対談だということで興味が惹かれたのです…

『メイド・イン・ホンコン/香港製造 』フルーツ・チャン/陳果

サム・リーの筋張った細い体のなんと魅力的なことか。 それほど痩せ型の男が好きなわけではないのですが、初めて『メイド・イン・ホンコン』でサム・リーを観た時細い体の美しさを知った気がしました。 彼はフルーツ・チャン監督に見いだされ本作でデビュー…

日本崩壊の前奏

いよいよ日本国がガタガタに崩れていく予兆が見え始めてきた気がします。 無論そんなことはとっくにわかっていたし見えていた、と言われてしまうでしょうけど今まで何とか見えないふり、気づかないふりをしていたものが誰にでも見えて気づいてしまうようにな…

『ゲーム・オブ・スローンズ』最終章 鑑賞完了 その2

昨晩書いた記事は特にネタバレもしてなくて単にティリオン・ラニスターがいかに魅力的で稀有なキャラクターか、ということを述べただけになってしまいました。眠かったのであれが精一杯でした。(夜9時はもうおねむ) とにかくティリオンがこの物語の主役、…

地球温暖化が良い方向へ作用する国

machidatimes.jugem.jp 毎回楽しみにしていますマチダタイムスさんのブログ記事。 というか以前は楽しみにしているブログが色々とあったのですが、今ではマチダタイムスさんくらいしか習慣的に読んでいなかったりするのはいったいどういう流れなんでしょうか…

『チェルノブイリ』2~5

ただただ怖ろしい。 1980年代の事故とはいえ人間には原子力を扱う能力はなかったし、今も無いし、これからもあり得ないでしょう。 どうしてこの力を人類が持ってしまったのでしょうか。いくらある種の能力が高いのだと言ってもそれに支払う代価が高すぎるの…

『差別と日本人』辛淑玉・野中広務

恥ずかしいことですが私は最近までお二人どちらのことも知りませんでした。 辛淑玉さんはある程度仕方ないとしても50代日本人で野中広務氏を知らないというのは問題ですが、それくらい政治にまったく無関心だったということです。 同じような発言をよく目に…

どうしてこのポスターが「ダメ」なのか、考えて欲しいのです

表現の不自由展の慰安婦の少女像は反日だから展示やめろという人もいますが、それは表現の自由の抑圧だと思います。「宇崎ちゃんは遊びたい」の献血ポスターもセクハラだからやめろという人もいますが、それも行き過ぎだと思います。ただ、両者ともに、批判…

『飼育』大島渚

大江健三郎原作小説未読です。 作品概要の 昭和二十年の夏、ある貧しい山村に米軍機が墜落。村人たちの山狩りにより、搭乗者である黒人兵が捕まった。地主の鷹野一正は、黒人兵の足首を鉄の鎖で固定し、村で“飼育”することにした。 というのを見て躊躇してし…

『華氏119』マイケル・ムーア

観てしまいました。なんと言ったらいいのでしょうか。 怖ろしい濁流がある。二つの橋が架かっているが、右か左か、どちらを向いてもどちらの橋も腐りきっていて渡ることはできそうにない。 どうしようもなく深い絶望。 なにかを信じたくても何も信じることは…