ガエル記

散策

結婚

『タリーと私の秘密の時間』ジェイソン・ライトマン

とても巧く作られた映画でした。テーマがありアイディアがあり主演のシャーリーズ・セロンは相変わらずの素晴らしい役作りと演技でした。観始めたら引き込まれて観てしまう映画だと思います。 ネタバレしますのでご注意を。 かつてはメリー・ポピンズが魔法…

『金子文子と朴烈』イ・ジュニク

ちょっとこの感情をどこにぶつけていいのかわからないほどです。 現在ではもう感動するラブストーリーなど観ることはできないのではないかと思っていました。確かにこの物語自体の時期は昔(1920年代)のものではありますが現代にこうして蘇らせられ観る…

『レッドタートル ある島の物語』マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット

昨日一度書いてあげていたのですが、考えが変化して書き直します。 もともとの文章はこの作品の技術の高さを褒めていたのですが、作品を好きになるかどうかはそこではない、と思い直しました。 先日観た台湾アニメ作品『幸福路のチー』とは比較にならないほ…

『幸福路のチー』宋欣穎

実をいうと本作中身を見るまでは期待していませんでした。日本やアメリカ・フランスのアニメを見なれてしまった目には本作のポスターとなるイラストがあまりに稚拙に映ったのです。 同じように感じた方はその偏見を捨てて内容を観てください。きっと目にはま…

『王妃マルゴ』萩尾望都 再再再読

時折ちょこちょこ読み返してはいるのですが今回結構読んでしまって「やっぱりすごい」と唸ってしまったので感想を書いてみることにします。 ネタバレしますのでご注意を。 全8巻ですが、物凄く濃密な内容です。一般的なマンガ作品なら50巻以上は軽くいってし…

タニシ長者とハマグリ女房

人間と動物、というか人間でないもの、との話がとても好きです。なので狼男の話を書いたりしたわけですが。 さきほどツイッターで「タニシ」という文字を見て突如「そういえばタニシの昔話があったよなあ」と思ったのですがどういう話かは思い出せず検索して…

『ロバと王女』ジャック・ドゥミと「星の素白き花束の・・・」山岸凉子

邦題が珍しくシンプルですが実際は『Peau d'âne』でそのまま『ロバの皮』なのでこれでもやっぱりちょっと違う感は否めないのです。『ロバと王女』ではロバと王女になにかが起きてしまうようですが王女がロバの皮を被って行動する話なのでむしろ 『王女はロバ…

『天井桟敷の人々』マルセル・カルネ

U-NEXTにて鑑賞。『如懿伝』が途中から課金ということであきらめざるを得なくなってショックでしたがなかなか観ることができない『天井桟敷』があったのであきらめることができました。 ネタバレしますのでご注意を。 何度か目の鑑賞ですが、焼き付くような…

『背徳と貴婦人』シャルル・ド・モー

相変わらずヘンテコな邦題です。ヒロインであるウラナラは皇帝の皇后なのですから貴婦人、という軽い名称は畏れ多いのでは。フランス語題名は『Le portrait interdit』で『禁じられた肖像画』中国語題名で『画框里的女人』こちらも額縁の中の女性という意味…

『第三夫人と髪飾り』アッシュ・メイフェア

昨日観た『チューリップ・フィーバー』と題材は同じものです。どちらもかつて女性にとって結婚は子供(特に後継者となる男子)を生む道具としての役割を果たすことにあったことを美しい映像で語る作品なのです。 しかしその題材をほぼコメディに近い演出でト…

『チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛』ジャスティン・チャドウィック

この映画を観たほとんどすべての人が同じ感想を抱くのではないかと思います。それは 「外見がやたら素晴らしいのに中身がない」 美術・衣装・背景がとてつもなく凝っていて(つまりお金がかかっている)映像が素晴らしい美しさなのに反比例してストーリーは…

『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』パブロ・ラライン

相変わらず邦題の酷さはすさまじいのですが、内容は思いがけず晴らしいものでした。 監督の名前が聞きなれないラテン方面なので検索したらチリ出身ということで納得しました。偏見になってしまいますが、映画の雰囲気が南米映画によくある情感にあふれたもの…

『ゼロの焦点』松本清張/野村芳太郎/犬童一心

上の記述とは逆に犬童一心監督作品『ゼロの焦点』を観てからの展開でした。 と言っても野村芳太郎の映画はすでに鑑賞済みでその後松本清張原作も読んでいます。 で今回の犬童一心監督作品『ゼロの焦点』ですがまさしく現在日本映画の欠点をすべて出し尽くし…

『炎と女』吉田喜重

アマゾンプライム+松竹にて鑑賞。初めて吉田喜重監督を知って今ちょっと興奮しています。 アマプラで+松竹無料期間がなければ観てもいなかったでしょう。それも木下惠介を観ようとして、だったのですが他にも何かないかと探して出会いました。 監督名も知…

『お嬢さん乾杯』木下惠介

不覚にも泣いてしまいました。 この映画で泣く人はいるんだろうか、と思いながら。いや結構みんな泣いてしまうんじゃないか、とも思うのですが。 昨日観た『青春残酷物語』とは打って変わって物凄く真面目この上ない男女の恋愛ですが、それはそれで互いに傷…

『女の園』木下惠介

昨日、木下惠介映画作品はほとんど観ていない、と書いたのですが、本作はその数少ない「観た作品」のひとつです。 観たのはほんの少し前なのですがどうしてもまずこれを観たくなってしまって再鑑賞しました。 ネタバレですのでご注意を。 『女の園』というタ…

『宿命の系譜 さまよえる魂』アリス・トラウトン

全六話、鑑賞終了し、いま再鑑賞しております。続けて二度観るほど面白く、かつよく判らなかったせいもありますが。 それにしてもイギリスの映像制作者はこうした地道な日常風景の演出がなぜこうもうまいのか、と思います。 ホラーもSFもこうしたあたりまえ…

『フォレスト・ガンプ』ロバート・ゼメキス

映画の記事を書く時は邦題を記していますし、その時は副題まで書くのがほとんどですが、本作の副題だけはあまりにも馬鹿々々しくてつける気になりませんし、そもそも私は「一期一会」という言葉に嫌悪しかないうえに本作の内容に「一期一会」的ななにかがど…

『わが谷は緑なりき』ジョン・フォード

宮崎駿アニメ作品『天空の城ラピュタ』を知っている人はこの映画が濃く影響していると感じるでしょう。 登場人物の善良さにも感じます。 冒頭のよくとおる呼び声がラストに関係してきます。炭鉱で働く村人が歌うことが好きで歌声が素晴らしい、ということに…

『愛という名の支配』田嶋陽子

この本に書かれている田嶋陽子さんの考えは全て同意するもので少しもぎょっとするようなことではありませんでした。 なのでこの本の内容を逐一取り上げて感想を述べる必要はない気がします。私は全て納得しました。 この本に違和感や反発を覚えるのは田嶋氏…

「男女を恋愛不全にするアニメでいいのかって話です」

一昨日と昨日の記事に画像つけてみました。 文章はそのままです。 先日岡田斗司夫さんのニコ生放送で過去動画を流されていたのですがその中で「ロリアニメは女性を恋愛不全にさせる」という定義が示されていてそれに続く説明を興味深く聞きました。ここでい…

「ロリアニメは女性を恋愛不全にするか」Ⅱ

1971年にテレビ放送されたアニメ『ルパン三世』の峰不二子と1973年アニメ『キューティハニー』が現在のロリアニメと言われる幼女向けアニメの元祖であると思っています。 かつて他のアニメ作品に登場する女子はあくまでも主人公男子の介添え役か男性作家が女…

『レベッカ』のレベッカと『ツイン・ピークス』のローラ

人生にはいろいろなきっかけがあるものです。 先日ヒッチコックを紹介する番組の中で初期の作品『レベッカ』が出てきました。これは監督の渡米第一作作品で1940年の製作となっています。 実はこれ私、何度か見ようとしたのですがもともと原作小説が大好きで…

『一人っ子の国』ナンフー・ワン、ジアリン・チャン

なぜでしょうか。困りました。 2019年サンダンス映画祭にてグランプリを受賞した衝撃のドキュメンタリー作品なのに「知ってた」内容だったからです。 もちろんそれは単なる「噂」的に知っていただけでこのようにきちっと証言を取っていたわけではないわけで…

「週刊少年ジャンプ」にこそ描いて欲しいマンガがあります。

ネット上でジェンダー論が続いています。この論争に終わりがあるとは思えませんが、あまりにもすれ違う意見の応酬を見ていると溜息をつきたくもなります。 ジャンプ漫画、はなんとなく「現在の日本マンガ感覚の座標」になる、という認識があるのですが、ジャ…

男女の性意識 清純派かエロ派かどちらも同じ

映画の話など書こうと思っていたのですが、ツイッターでのジェンダー騒動に喚起されてしまいました。 長く生きて来てこれほど男女の性意識についてあれこれと問答し合ったことがあったでしょうか。 もちろんこれはネット上だからこそ思う存分話せていること…

『華星夜曲』平田真貴子・出﨑統・杉野昭夫そして鷹の声は野沢那智

#いいおしりの日大学時代のSF研の一部で話題となった出崎統監督のOVA『華星夜曲』の一シーン。青葉組のタカは下着などつけず、ズボンをおろせばそのまま引き締まったお尻がお目見え。速やかに事を進められるのだ。もち、作監は杉野昭夫さん。ただし臀部に作…

日本崩壊の前奏

いよいよ日本国がガタガタに崩れていく予兆が見え始めてきた気がします。 無論そんなことはとっくにわかっていたし見えていた、と言われてしまうでしょうけど今まで何とか見えないふり、気づかないふりをしていたものが誰にでも見えて気づいてしまうようにな…

『ゲーム・オブ・スローンズ』最終章 鑑賞完了 その2

昨晩書いた記事は特にネタバレもしてなくて単にティリオン・ラニスターがいかに魅力的で稀有なキャラクターか、ということを述べただけになってしまいました。眠かったのであれが精一杯でした。(夜9時はもうおねむ) とにかくティリオンがこの物語の主役、…

沼田真佑著『影裏』を読み解いていきます。その5

コールマン灯、こんな感じなのでしょうか。 続きます。 以下、ネタバレというか自分流解釈をしています。 昨日の解釈から変化しています。 『影裏』の一人称主人公「わたし」今野秋一は両性具有であり、以前は女性として生活してきました。 名前は男性のよう…