早速の「どろろ」番外編です。
番外というのは自分の書いた小説及びマンガ「妖狼伝説」についての話だからです。
その作品は右側面のガエルリンク「ガエルpixiv」から入っていけます。幾つか別のものもありますが「妖狼伝説」というタイトルで小説・マンガがあります。
なお、その作品はかなりハードなR18ゲイポルノとして書いていますので特にマンガはそういう耐性がない方にはきつい描写が多々あります。小説はそこまできつくないと思いますがカテゴリとしては「ゲイポルノ」ですのでお気を付けください・・・。
( ^ω^)・・・お読みいただけましたでしょうか?
いや先に言いましたように読まれなくてもよいのですが、この作品、明らかに「どろろ」の影響を強く受けております。
パクリといってもいいほどです。
もうこのブログで何度も書きましたが実は作者である私は「妖狼伝説」を書いているあいだ「どろろ」に似ているとまったく思っていませんでした。
もしかしてどこかに記述していたらそのことすら忘れているのですが、たぶんこの作品を考え付き小説とマンガとして書き続けている間「どろろ」を意識したことがなかったのです(と思っています)
もちろんそれは主人公が「狼男」「人狼」であり相方となるのが男性である、という点で自分でも「どろろ」から連想したと思っていなかったのですね。
では何から影響を受けた、と自分では思っていたのか。
「妖狼伝説」のモデルとしたのは人狼グィドがエミリ・ブロンテの「嵐が丘」のヒースクリフであり相方のアレクスは「カラマーゾフの兄弟」のアレクセイであり、グィドの父親の傲慢さはそれら「カラマーゾフ」「嵐が丘」の父親からのイメージでありグィドのアレクスへの思慕はヒースクリフのキャサリンへの恋情をモチーフにしていると自分では思い込んでいました。これらのことはあちこちで書いています。
しかし改めて「どろろ」原作マンガと旧版アニメを観なおしてみるとこれは「妖狼伝説」とあらゆるところがそっくりなのに気づき驚いたというか、今まで気づかずにいた自分に呆れかえるばかりです。
しかもタイトルも「どろろ」と「妖狼=ようろう」は音も似てるという。
なんで「ようろう」なんて変なタイトルつけちゃったかな、と途中で思ったのですが元々が「どろろ」であるがため、だったのかもしれません。
主人公・人狼グィドというのを思いついた時も自分で喜んでいたのですが人間の体でなくなった百鬼丸、というモチーフから生まれたものでしょう。
グィドはある小さな国(これも同じ)の侯爵夫人グレースの長男として生まれます。違うのは双子の妹(グウェン)がいるというところですが、百鬼丸にも多宝丸という年の近い弟がいるのですから似ていると言えば似ています。この妹は普通の体で類まれな美貌を持っています。
が怖ろしいことにグィドたちの実の父親はグレースの夫ではなくグレースの実の兄であり公爵であるグレゴリー・ホロワースという傲慢で尊大な男だったという秘密があるのでした。このホロワース公爵と醍醐景光の残虐さはそっくりです。
グィドが人狼として生まれたのは「由緒あるホロワース家は代々近親によって世継ぎを生んできた。その結果、時折人狼が生まれるという代価が支払われることになるという呪縛がある」という理由からです。
莫大な財産と権力を持つ名家を維持するために生まれた赤ん坊、というイメージはそっくりというしかありません。
そのあとはあきれるほど同じなのですが、我が子を愛する母親の手から赤ん坊を奪って森の中に捨て(川じゃないから違うと思ってたよきっと)拾ったのが世捨て人の博士(ぐぐぐ)義手や義足は作らなくていいですが狼人間であるグィドが一人前の人間として生きられるように魔力(あーこの辺はファンタジーなので魔力もありました)などの訓練をほどこします。
魔力には他人に自分を人間だという幻影を見せ思い込ませる、というものもありグィドは大きく育っていくのですが、ある日たまらないほどの性欲を感じて博士の家を出てしまうのです。
化け物=鬼神退治のために家を出る決意をする百鬼丸と性欲が我慢できず家を出る我が人狼グィド・・・。
この辺の違いが問題なのかと思いますが、家を出て旅をするのは同じなのですけどねえ。
ではもうひとりの主人公どろろとアレクスはどうでしょうか。
盗賊の娘として生まれしかし男として育てられるどろろ。刀が欲しいという理由で百鬼丸に近づきつきまといいつしか強い友情で結ばれていく、というのがもともとのどろろです。
アレクスは伯爵家の次男坊でおっとりとして皆から好かれる美貌の少年なのですが実は「狼人間」のような特殊な人間にしか性的欲望を持てない、という奇妙な性癖を持っています。
これをどろろと重ねられるのかというと悩みますが、女性が生きづらい世の中だったために男として生きたどろろのジェンダーの障害(?)と似ている、といえばいえるのでしょうか。
私はアレクスを同性愛者としてではなく「狼人間」にしか欲情しない、という性癖なのだ、と考えました。つまりグィドが女性であっても恋したのです。その代わり普通の男女には強い欲望が湧いてこないのです。
一方のグィドは男性女性分け隔てなく欲情する狼男です。アレクスに対する気持ちは欲情というよりも子供時代に知り合ったという友情に対しての貴重性それはホロワース家特有と言われる近親の情なのじゃないかとグィドは考えています。
そしてもっとも自分が気づかなかった原因はアレクスとグィドが子供時代に互いを見かけ、少年時代に再会してゲイセックスに没頭する日々を過ごした後、グィドはアレクスのもとを去って一人で旅に出てしまう、そしてその時アレクスはグィドの魔力によって記憶を封じ込められてしまった、という設定にしたせいでしょう。
人狼グィドは流離続けますがとても困難な状況に陥ってしまうのです。最初の旅は性的欲望からの旅でグィドは性欲のままに男女と交わり続けます。並外れた性能力を売ることができると知ったグィドは売春と麻薬に溺れていき博士から学んだ自分をコントロールする魔力を失ってしまいます。
そうしていつしか人間の心まで失ってしまい食べる事にも窮したグィドは犯した人間を食べてしまうという人食いの人狼に堕ちてしまいます。
人食い人狼のまま彷徨うグィドは成長したアレクス(えっと14・5歳くらいだったかな)に再会したのですが、なぜかこの瞬間にグィドは正気を取り戻したのです。
アレクスは誰からも真面目で清純で晩熟な少年と思われていたのですが人狼グィドを見てたちまち性欲を呼び覚まされてしまいます。(なんじゃそりゃ)
グィドは小さなころから憧れていた伯爵家の子供アレクスの激しい欲求にむしろ慌てふためくのですが、友達になりたいと思う気持ちからアレクスの求めるままに従うのでした。
さてこのへんは「どろろ」と似ているでしょうかw似ているような気もしますし、そうじゃないだろうとも思いますが、「どろろ」が青年コミックだったら、少し内容も違っていたかもしれません。
思う存分青春の欲望を炸裂して幸福だったふたりですが、やがて伯爵家の人々に知れることになりグィドは「人食い」であったことを恥じてアレクスのもとを去ります。
アレクスには自分を思い出さないように魔力で記憶を封じ込めてしまうのです。
が、グィドの「人食い」はアレクスに会っている時にだけ抑えられていたものだったので旅に出たあと、彼はまた「人食い」に戻ってしまう衝動が襲ってくるのを感じます。
その衝動を抑えるように自分を課すグィドでしたがその頃彼の父・グレゴリー・ホロワースは彼のもつ魔力でグィドの存在を知り殺したはずの忌むべき我が子を再びとらえて殺す算段をするのでした。
なんか、続いてしまいました。
そしてここからが不思議なのですが、原作マンガ及び旧版アニメに影響を受けてそっくりなのは大好きだったのだから仕方ないとしても改変された新版「どろろ」にも似ているからなのです。
そのあたりも話も次にしていきたいと思います。