「妖狼伝説」小説へのリンクです。
マンガよりもこちらが読みやすいかもですw
なお、小説とマンガは内容はある部分を除いてほぼ同じなのですが、構成がまるきり変わっています。
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昨日の続きです。
私が書きましたオリジナル作品「妖狼伝説」小説とマンガが実は知らないうちに「どろろ」にものすごく影響を受けていた、というかそのまんまじゃないかという話で書いています。
こうやって書いてみたら「ぱくり」とまでは言わなくてもいいかな、と思い始めましたが恥ずかしいほどの類似点はハッキリ見えています。
しかも怖ろしいことに「どろろ」アニメ新版とも似ている部分があるのですね。これはいったいどういうことになるのか。いや逆パクリではありません。それはほとんどまだ書いていない企画の段階でしたのでw
ただ、「どろろ」という作品からくる展開が似たものになるのかもしれない、ということなのでした。
自分の作品なので変な感じですが、この後ネタバレになりますのでご注意ください。
なお、作者本人がすでに記憶違いをしているかもしれませんのでその点はご容赦ください。
小国の貴族ではありますがホロワース公爵家は権力と財力を誇っている名家でした。
そのホロワース家には代々近親の交わりによる後継者を残すという行為が繰り返されていました。「ホロワース家は近親にのみ恋情をいだくのだ」という奇妙な呪縛があったのです。
そしてそのことにはさらなる秘密が隠されていました。
グレゴリー公爵は忌むべき子供である人狼グィドが生き残っていることを知り捕らえて拷問とレイプを繰り返し麻薬漬けにしていくのでした。
アレクスと再会することもないだろうと思うグィドはいつしかこのまま父親のなすがままになってしまうことも構わない、と思い始めます。
しかし公爵の気まぐれな一言「人を食ってみろ」という言葉に逆上したグィドは父親の片腕を切り落とし地下牢を脱出したのです。
マンガ「どろろ」の中で醍醐景光の行為はあっさり描かれているので、つまり細かい心理描写などがなく事実だけが描かれているので百鬼丸が背負った化け物を倒すと体が戻るという業を48回も繰り返さないといけない、天下取りという男の功名心のために子供の体を引き換えにした、という親のエゴイズムはさほど強調されて見えないのですね。
新版ではそのことがどんな悲劇であるかを強く訴える形になっていると思います。
「妖狼伝説」でもグィドと父親の対決はもっとも語らなくてはいけないものでした。
現実でも親が子供を虐待する話は絶え間なくあります。
特に家父長制からくる性的虐待の逃れられない重圧と恐怖を描きたいと思いました。「どろろ」にはそのことは描かれてはいませんが「体を引き換えにする」という条件に同じものを感じてしまうのです。
グィドの双子の妹は健常者で美貌ですが父親から性的虐待を受け続けて成長しました。
百鬼丸の弟・多宝丸は幸福のようで母親から愛されない、という不幸を負いつづけています。
グィドと妹の母親は子供を産んですぐ自殺しますので母親の愛がなかった、という点は同じです。
身勝手で暴虐な親とそれを受ける子供の戦い、というテーマは限りなくあるように思えます。
アレクスの両親は彼をとても愛していますのでそこも「どろろ」のどろろと同じですね。ただし早死にはしてません。それは単にこちらが裕福だからですが。そして兄がいます。
グィドはその後アレクスと再会することになりますが、ホロワース城でのグレゴリー公爵との戦いに巻き込んでいきます。アレクスの友人ジェロームとマルコムの助けもあって物語は大団円と向かいます。
グィドはアレクスの家族とも会って親交を深めます。アレクスはグィドに「ずっと一緒に暮らそう」と約束します。
やっと幸福になれたグィドでしたが、その時襲ってきたのはこれまで自分が犯した人食いの所業でした。
どうしてもそのまま安泰な生活を送ることができないグィドはアレクスのもとを去り再び旅立ちます。
後半思い切りすっとばしましたが、大体こういう内容です。
確か、小説ではグィドは父親を殺すのですが後で描いたマンガでは父親は自分の愛した妹グレース(グィドの母親でもある)の亡霊とともにどこかへ去っていくことになります。この最後はマンガ「どろろ」に似ています。
小説で殺してしまったのがどうしても気になったのはマンガ「どろろ」の影響がしみついていたのかも、とさえ思えます。
私が描いた「妖狼伝説」ではグィドとアレクスは男同士なので(というかこの話の世界では)結婚はしないけど、一緒にいつまでも暮らそう。という幸福なエンドになるはずだったのにグィドは何かの思いを抱えて旅に出てしまう。
このあたりが「どろろ」アニメ新版と似ていると思えたわけです。
百鬼丸もグィドと同じような贖罪の旅に出たのでは、とさえ思います。
そして私自身の作品「妖狼伝説」のその後ですが、これはもう公表してはいないので証明はできないのですが、旅立ったグィドの後を追ってアレクスも旅に出ます。
(ここまでは書いてましたね)
そして数年後やっと会えたグィドは僧侶の護衛となって旅をしていました。
任務を果たしてグィドとアレクスは二人で旅を始めます。ここからは割と楽しく時々妖怪退治をするような物語にしたいと思っていました(思うのは簡単)
そうして気楽な旅をしているうちに彼らの国に戦争が始まりふたりは旅をやめて国のために戦います。
国王が亡くなり、残された次の王が赤ん坊だったために成人までの代理を誰にするかという話になり人狼グィドが国王に選ばれるのです。
もともとグィドは公爵家の長男でもあるのでその資格はある。はじめは渋ったグィドでしたがアレクスと周囲の後押しでその決議をのみます。
時期王が立つまで狼の姿をした国王が生まれたのでした。
時を経てグィドは国王を辞し、ついに念願だった森の中でアレクスと静かな生活を送ることになります。
当然のことですが年を取りアレクスはある日、天に召されます。
アレクスは最後にグィドに自分の一部分を食べて欲しいと願います。実はグィドはまったく年を取っていないことをアレクスは気づいていました。
そして自分が彼の中に混じって共に生きていたいというのです。
グィドはその願いを果たしました。
グィドは死なない体だったのです。
やがて彼の体は白くなっていきますが、その姿のままアレクスの生まれ変わりを探し続けているのです。
という壮大な物語を「考えていました」
考えているだけですw
「どろろ」新版で百鬼丸が多宝丸との戦いの中で醍醐の城を「俺の城だ」という場面があってどきりとしました。
もしかしたら新版での百鬼丸は旅から戻って城主になる、という話になるのではないでしょうか。
かってながらグィドが旅の後に国王になる、という物語を考えていたので新版の百鬼丸との奇妙な一致、と言ってもこれも妄想にすぎませんが、を感じたのです。
家父長制による怖ろしい暴力、反抗する息子、引き起こした犯罪、友情による救済、そして贖罪の旅、やがて城主となる。
というのが「どろろ」特に新版における強調された物語と自分自身が作った物語「妖狼説」との合致点(後半は妄想ですが)になります。
「どろろ」においては性の表現は抑えられていて、「妖狼伝説」ではすべてが性の表現となるところが相違点ですね。
どろろとアレクスの違いはどろろがほぼ完全に男の子として生きているのを考えればほとんどないと思います。アレクスのほうは逆にグィドを性の対象者としているのですし。
これが「どろろ」新版と自作品「妖狼伝説」との奇妙な類似点でした。
「どろろ」という作品は私にとってどんなに影響を与えたものかと思っています。