『牯嶺街少年殺人事件』を観続けています。
主役のの少年・張震(チャン・チェン)を演じているのはそのまま張震 。
15歳頃でしょうか。細くて初々しい少年の印象に惹きつけられます。
チャン・チェンを初めて観たのはウォン・カーウァイ監督の『ブエノスアイレス』でしたでしょう。
その頃私はレスリー・チャンに夢中で彼の映画を観まくっていました。特に『ブエノスアイレス』はレスリーが主演だということを別にしてもいまだに大好きでたまらない映画です。この『牯嶺街少年殺人事件』とはまったく違う世界のようでいてひりひりと痛みを感じる感覚は同じであるようにも思えます。
『ブエノスアイレス』でのチャン・チェンは後半少し登場するだけですが「音を聞くのが好き」という不思議な人でした。
『ブエノ』は男性同士の愛の物語です。ファイー(トニー・レオン)が離れたくても離れることができない男ウィン(レスリー・チャン)を振りほどくようにして旅をする場所にいたのがチャン(チャン・チェン)なのですが、当時私がまったく感じていなかったのが他の方から聞いた(読んだ)「レスリーとチャンは似ている」ということでした。
今見てもそれほど似ている、と思えないのですが(笑)確かに似ている、と思ったからファイはチャンに惹かれたはず、なんですよね。
たぶんチャン(映画の中の)はゲイではないと思うので、ファイとチャンが恋人関係になることはないと思うのですが、ファイが恋しているウィンが見かけはそっくりの(私は気づかなかったけど)チャンのように生活できる男だったらもっと恋はスムーズに生活へと進展できたのになあ、という話なのではないでしょうか。
でもウィンのそんな生活破綻者ぶりが魅力でもあるのです。
そう、チャンを演じたチャン・チェンはとてもまじめなイメージです。
実際彼のプロフィールを見ると『牯嶺街少年殺人事件』に出演した後は学業に戻っています。そして『ブエノスアイレス』直後に兵役入隊しています。
長く独身でしたが日本語通訳者で同年齢の女性と結婚して子供にも恵まれる、というなんだかもうお手本のような人生を歩んでこられています。
出演も(私的には特に)素晴らしい監督の良作品が多いのですよね。
しかも次作にビルヌーヴ監督で『デューン砂の惑星』に出演、ということで『デューン』大好き人間の私としては卒倒しそうな展開であります。
何の役?まさか昔スティングがやったファイド・ラウサ?まさかね。スティルガーかアイダホかなあ。
破天荒な役者人生も魅力がありますが、チャン・チェンのような真面目さにも惹かれてしまうのです。
なんだかんだでチャンチェン出演作観てはきていますが、もう少しまとめて観てみたくなってきました。
追記:『デューン砂の惑星』のチャン・チェン役、ドクターユエがいるの忘れてた~!
やっぱユエか?ユエなのか?
ユエ=じーさんと思ってたからさあ。
石森章太郎挿絵で読んでたものだから。