『ウテナ』の物語、しばしば意味ありげな表現で謎めいて年若い視聴者をいったいどういうことかと悩ませてしまいそうなエピソードがいくつもあります。
今回『ウテナ』を見直す際にもう一度観たいとおもったものの一つが樹璃と枝織と瑠果の物語でした。
樹璃と枝織と瑠果、思わせぶりな名前です。樹と枝、枝と果実、どちらもすぐに関連があることを思わせます。
では樹璃と瑠果は?
「瑠」を検索してみて知ったことがありました。
「瑠」は漢字一字だと意味をもたず、「瑠璃」の熟語でしか使われません。
なんと!「瑠」は「瑠璃」という単語の中でしか使われない漢字だったのですね。
もちろん人名は当て字ですから上のリンクにもあるようにいろいろな「る」がつく名前に利用されることになります。しかし単語としては「瑠璃」としての「瑠」だけなのですね。
瑠果の「瑠」と樹璃の「璃」はふたつでひとつだったのです。
なのでタイトルが「空より淡き瑠璃色の」なのですね。
そして「瑠璃」は現在でいう「ラピスラズリ」であるとも書かれていました。
樹璃は枝織を愛し、瑠果は樹璃を愛し、では枝織は・・・たぶん枝織は誰も愛してはいないのでしょう。
樹璃を助けたいという一途な瑠果の思いが切なくも儚い。
奇跡などない、わたしには。
樹璃の思いも切ないのです。