見届けました。
『ゲーム・オブ・スローンズ』最終章まで。
ネタバレありですからご注意を。
なんだか悪評もあるようですが、私は素晴らしいラストだと思いました。最後まできっちり見ごたえがあり不満があるような部分は無かったと感じています。
この物語はこのような大河ドラマで他にないほど様々な女性が活躍しましたが、主軸はティリオン・ラニスターだと私は思っています。
一番好きなのがなぜかシオン・グレイジョイなのですが。
ティリオンがなぜ主役なのか、勝手なイメージですが彼の存在は『ロード・オブ・ザ・リング』の主人公・フロドから来てるのではないかと思ったりするのですが、あの物語の中では様々な「種族」というものが存在することになっています。
フロドはホビット族という種族なので小柄であることは問題にはならないわけですが、もしも物語が普通の人間しかいない(というわけでもないですが)中でドワーフとして生まれるという運命を背負っていたのなら、というような発想で生まれてきたキャラクターなのではないでしょうか。
小柄なことを「チビ」と言われて悔しがる強気な主人公という設定は山ほどあります。もう一人の主人公とも言うべきジョン・スノウはまさにそうした主人公の造形です。
さらに「落し子」である彼はスターク家の中でひとりスノウを名乗り母親とは微妙な距離感を感じています。
それでも純粋な心を持つ彼はいかにも主人公らしいキャラ付けでありますね。
一方、ティリオンは小柄と言うだけではすまないドワーフの体格を持って生まれてきた男です。
美しい容姿に恵まれたラニスター家の家族からは一様に蔑まれ遠ざけられがちですが、ただ一人兄のジェイミーだけが彼をいつも庇っていました。
とはいえ、ティリオンはでいじけた性格ではありません。頭脳は明晰で性欲は人一倍の女たらしで奔放な性格、という痛快なキャラ設定になっています。
障害者だと「良い人」だとか「特別な能力を持つ」などというような設定が付き物ですがティリオンはそんな枠からはみ出したアウトサイダーなかっこよさがあります。
「インプ」というあだ名で呼ばれても鋭い機転でやり返す強さが魅力的なのですね。
このような長いドラマの主役ともいえるキャラクターを彼のようなドワーフである人物がこうも面白く演じたことは今までないのではないでしょうか。
その一点でもこのドラマの凄さがあると思います。
続きます。