ガエル記

散策

『華星夜曲』平田真貴子・出﨑統・杉野昭夫そして鷹の声は野沢那智

 ツイッターでいつも色々なアニメを紹介してくれる、わとそんさんのツイートなのですが、これはまた面白いアニメ作品を教えていただきました。

 

原作は平田真貴子『華星夜曲』

監督・絵コンテ=出﨑統、キャラクターデザイン・作画=杉野昭夫、かっこいい男・鷹=声・野沢那智、という往年のアニメファンにとって豪華な布陣です。

とはいえこれは未完成のOVAなのですね。

 

原作自体が未完のまま、という事らしいのですがそれでもアニメ作品として完結することはできるわけですが、どちらにしても何らかの事情があったのでしょうか。

 

実をいうと私はアニメオタクだと言い張ってるわりには出崎☓杉野コンビのアニメとなぜか縁が薄くて『ガンバの冒険』と『あしたのジョー』1部だけは好きでよく観ていたのですが、他の作品をあまり観ていないという謎があります。

あしたのジョー』2はあまり観ていないし、『エースをねらえ』も原作マンガは好きですがアニメはあまり観ていない。

『佐武と市』『宝島』『ブラックジャック』はまったく観ていない、というなんかこの有名なコンビを避けていたかのように観ていない、のですね。

なぜかどうしてか『マルコ・ポーロ』も観ていないのです。

 

なのでこのアニメ紹介の時も最初は平田真貴子さんの原作も知らないし、キャラデザも話も好みの世界でないのでまたスルーしそうだったのですが、なんとなく気になってアップされている動画を観てしまいました。

大正時代のモダニズムを舞台にして侯爵家のお嬢様と同い年のメイドの女性、そして銀行頭取となる青年とヤクザの鷹という若者たちの生きざまを描いたものでした。

正直、キャラ設定もストーリーも陳腐でぶっ飛びだと思ってしまうのですが、たぶん一般的に売り上げが期待されそうにもない作品を丁寧に作り上げていることに感動してしまったのかもしれません。

 

お子様向け設定(といっても大人が見てるお子様向け)のアニメ作品からどうしても脱出できないのが日本のアニメ産業なのですが、こうした大人っぽい作品はもっと作られなければいけないのではないかということをいつも思いながらやはり作られるのは登場人物が子供ばかりでしかもなぜかエログロであり、暴力的という奇妙な世界観から逃れられないでいるのです。

 

こうしたやや大人っぽい作品はしかしやはり未完成で有名になることもない、ときては作られにくくなってしまうのも仕方ないようにも思えますが、それでも作り続けて欲しいと願ってしまいます。

 

そういう私自身が出﨑・杉野作品を観てこなかったのですからなんとも言い訳しがたいものもあるのですが。

 

そういう事も含めてまたアニメについて考えてみなければ、と思ったりします。

 

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