昨晩「IT」地上波放送されていたということですが、かなりカットされていて面白さが激減していたらしいですね。
というわけでもないのですが以前録画していた吹き替え版を観ています。
しかしこの映画の何がみんなを夢中にさせるのでしょうか。
テレビ放送で観る前にペニーワイズの側溝シーンが再現されているのをいったいどれほど繰り返し観たことでしょうか。
ペニーワイズは人々の恐怖を具現化したもの。
子供時代には子供時代の「それ」が。
大人時代には大人時代の「それ」があるわけです。
それにしても私は何という奇跡的に子供時代を生き抜いてこれたものか。
今報道を見ても子供時代を生き抜くのがどんなに大変なことなのかを思い知らされます。
もちろん皆が無傷のまま生き抜いてこれたわけではないでしょう。
ある者は傷を負い今も苦しみながら生き延びてきたのです。
私自身は幸運にもそれほどひどい手傷を追うことなく生きてこれたのは本当に奇跡的なことだったように思えます。
それでも胸が苦しくなる幾つもの記憶があるわけです。
それにしてもこの映画の少年少女たちは勇敢に恐怖に立ち向かっていくものです。
この勇敢さはアメリカ人ならでは、なのでしょうか。
それとも日本人でも同じなのでしょうか。
日本人でも同じ、とはちょっと思い難いですが。
もしくはアメリカ人でもそうでもないんでしょうか。
そしてスティーヴン・キングという作家はどうしてこうも人間の心にある恐怖をわかりやすく描けるものかと感じます。
未来のない小さな町に生まれ育った、という設定は多くの読者に共感を感じさせます。
そしてその町は子供がどうしようもできない邪悪なしがらみでおおわれているのです。
「それ」と戦わなければ大人にはなれない。
キングの恐怖はいつもそこにあります。