2度このドラマの感想を書こうとして中断しこれが3度目ですが、いまいち乗り気になれないのは結局このドラマの題材が「美醜にこだわる女」という事だと思います。
女というのは美醜で人生が決まると思っているけどそうではない、という論旨は正解なのかどうなのか、ということすらあまり論争する気持ちになれないでいます。
そしてこのドラマの最後にヒロインがいう「男はマグダラのマリアを好むけど本当は聖母マリアが好きなのよ」というのも正解のようでそうではないようにも思えます。
てかどちらも男は、とか女は、とか大きいくくりで言われても個人差があるだろうし多数決なのか、ということようにしか思えません。
このドラマは元々実際の結婚詐欺連続殺人事件とその犯人・木嶋早苗に着想を得て作られたのだそうです。私自身この事件と犯人に興味を持って本を読んだりするほどだったのですが、このドラマの着想というのが「この顔の女にこんなに男たちが貢いで殺されてしまったとは」という点のみが強調されてしまったのは事実と比較して興味は半減以下になってしまいます。
しかももともと美女だったのをブス整形したとあってはますます興味が失せてしまった上になぜか生まれた場所も違い、宗教が絡んできて逆パターンの女性と表裏一体という構成もそれほど面白さの効果を生み出せなかったように思えてなりません。
男性の作り手が女性の美醜に対するコンプレックスを描くのはどうしても肯けないものになってしまうのは仕方ないことでしょうか。
ただただ寺島しのぶの凄さだけが浮き彫りになっていました。
それでも現実の犯人の人格には及ばないように思えてしまうわけです。
あの事件をもっと深く掘り下げて欲しいというのは無理なことなのでしょうか。