杉山龍丸「ふたつの悲しみ その1」ー山田太一「生きるかなしみ」(ちくま文庫) https://t.co/6pQNBzXWEF #r_blog
— simadateturou (@simakumakun) 2019年12月8日
さきほどこのツイートを読み中の文章を読んで涙があふれました。
今様々な思いが押し寄せてきています。
その思いのひとつに先日このツイート読んだこともあります。
俺もこの子きらい。もし自分が世界の影の支配者だったら、すべてを奪って絶望のどん底に叩き落として嘲笑してやりたい。その上であっつあつの超うまいステーキとか食わせてやって、悔し涙を流す姿が見たい。すごく見たい。 https://t.co/SOb5VWQNnU
— 賀東招二 (@gatosyoji) 2019年12月7日
グレタさんの力強いメッセージはまさしく世界を大きく沸騰させる力があったのでしょう。多くの人を惹きよせ賛同させるのと同時にこのような負の思考を働かせてしまう力も持っていたのは確かです。
このような発言をした人々もまた世界中に多くいると聞きます。しかしいったい彼らは何なのでしょうか。
グレタさんはわずか16歳の少女であり学生です。多くの反発の主は私が見た限りでは中年男性ばかりなのですがこれは推測だけではないのでは、とも思えます。
とりあえずこのツイートをした「賀東招二」という男性は1971年生まれなので現在48歳。グレタさんの父親世代としても少し上の年齢であり彼女のような存在を見て「応援してあげたい」と思うどころか「絶望のどん底に突き落としたい」と考えるなどとても正気とは思えません。
しかもこの人物はラノベ作家であり話題の京都アニメーションの作品脚本を多く手掛けるという知能もあるわけなのです。
思い込み、といってしまえばそれまでですが、アニメ・小説などを手掛ける人物というのは青臭い思想を持っているもの、というイメージがありました。
たとえ現在作っている作品がそうでなくても(すみませんが私はこの人の作品を知らないのですが)心の中に正義や平和や愛や理想があるのだという思い込みです。
それは自分自身が師のように思っていた手塚治虫氏によって植え付けられたものでしょうし、他にも多くのクリエイターからイメージさせられているのだとも言えます。
グレタさんの言葉に外国のあるミュージシャンが「彼女は自分が若い頃いつも考えていた理想を思い出させてくれた」と話しているのを知って本当にその通りだと思いました。特にクリエイターであれば若い頃、10代の多感な時期世界の平和や自然を守ること、世界中の人々が手を取り合って愛を信じる事というような理想を夢に描いたはずではありませんか。その逆を考えていたという人間でもそういう理想を持ちたいからこそ反抗した気持ちを持ってしまうわけです。
いったいこの人はクリエイターとしてしかもかなりの人気作家と聞くのにどうしてこんな考えを持ちそれを隠すこともなく発言してしまうのでしょうか。
「ガンダムシリーズ」には彼女を思わせるような少女がよく登場します。
『ガンダムW』のリリーナ、『ガンダム∀』のディアナとキエル、『オルフェンズ』のクーデアリアなどいずれも10代ながら自ら世界のために立ち上がる少女たちです。そういったヒロインをアニメ好きなら観て来て応援してきたはずではありませんか。
ご本人の手掛けた作品にも多くのヒロインたちが登場しているはずなのに不思議としか言えません。
あのマララ・ユスフザイさんを銃撃した犯人らは「女が教育を受ける事は許し難い罪であり、死に値する」と理由づけをしたそうですがこの人物も同じ思想を持っていると感じます。
それは「嫉妬」というあまりにも惨めな感情から生まれてくるものに他なりません。
醜い話はこのくらいにします。
それより冒頭にあげたツイートを是非読んでもらいたいのです。さらに中身はこれです。
そしてこれも是非読んでください。
私は九州に生まれ育ちながらこの杉山龍丸という方をまったくこの年になるまで知りませんでした。いやもしかしたらどこかで聞いていた可能性はあったのかもしれませんね。それでも記憶になく、夢野久作さんの名前と作品名は知っていてもそれ以上深く知ろうとはしなかったことを悔やんでも悔やみきれません。
玄洋社についても知ったのは最近で、その時にも杉山龍丸氏までたどり着かなかったのです。いったい何を生きているのか。自分自身が恥ずかしく情けない気持ちです。
いやそれでも生きている間にそしてこの時期に知ったことに感謝しましょう。
先日中村哲さんが亡くなられて事でこの記事を読むことができたのかもしれません。
それはグレタ・トゥーンベリさんともつながっていると思えます。
人間はちっぽけで非力ですがこうした人々の活躍がそのどれも大きな支援があったとは言えず、そして彼ら彼女らを嘲笑う人々は必ず存在するという悲しい事実もありながらやはり人々の心に彼ら彼女らは生まれ育っていくのだと信じます。
グレタさんを絶望のどん底に突き落として眺めることに快感を得るというあさましくおぞましい賀東さん、あなたの言葉はこの世界の歴史に残りました。あなたの醜い発言は未来永劫あなたの枷となるのですが、彼女や彼女を称える人々の心には微塵もあなたという記憶は残りません。
人間はいつか地球を飛び出すでしょうが、それでもやはり人間は地球をやさしく保護する責任があるはずです。
追記:賀東氏がツイッターで謝罪されたようです。
未成年女性を相手にさすがにひどい表現でした。反省して削除します。当面Twitterについては休止します。他人への尊重に欠けた私の言動により多くの方にご心痛をおかけしたことをお詫びします。
— 賀東招二 (@gatosyoji) 2019年12月10日
グレタさん本人に賀東氏の酷いツイートが読まれてしまうことはほぼ無いとは思いますが、ファンの一部の方の心は離れてしまったように思われます。もちろんそうあるべきです。
私はこれから先、賀東氏の作品を読んだり観たりすることはないでしょうし、もし名前を見かけてしまった場合は避けてしまうはずです。
京都アニメーションに対してもますます嫌なイメージを抱いてしまいました。これらは消えることはないでしょう。