かつて存在したというスラム街。
怖ろしいけどどこかそういう世界に憧れてしまうのはどういうことなのでしょうか。
私が覗き見たのは黒澤映画『野良犬』『天国と地獄』、ちばてつや『あしたのジョー』『男たち』
そしてこの『下谷万年町物語』はオカマたちが集まった町であり、男と女はそこで自分を見つける。
今現在、「オカマ」という符号がかつてのような効果を生むのかは疑問ではあるのですが、治外法権、触れてはならない場所という意味に憧れてしまうのかもしれません。
原始時代に憧れてしまう人がいるようにこうした混沌とした場所になら隠れてしまえると夢を見てしまうのです。