ガエル記

散策

私映画の半世紀 1

f:id:gaerial:20200305072240j:plain

ハリウッド映画の一世紀という番組面白く観ています。

とにかく当時の様々な映画を褒めまくってるって感じなのですが、かなり納得して観てしまってるのはそれだけ自分がハリウッド映画を観て来たのだなと思い知らされます。

同じような企画で日本映画をやってもそこまで観てはいないので同じように共感はできないと思います。

 

同じように自分自身にとっての映画史をやることもできるでしょうしこれに関しては年を重ねているほど面白いものになるはずですね。

 

私にとっての映画は映画館ではなくやっぱりテレビ放送での映画ですね。

小さな子供時代から日本映画はつまらなく外国映画=ハリウッド映画は面白いものでした。日本作品はドラマも大嫌いだったのでアニメに限るという価値観の中で成長しました。

途中、日本映画には黒澤明大島渚など最高に面白い存在があることに気づきますが現在でもその価値観にあまり違いはないように思えます。

 

とにかく記憶の中の映画はジョン・ウェインが主人公の西部劇であり、途中からマカロニウェスタンジュリアーノ・ジェンマになっていきます。

自分の基礎はこうしたウェスタンものであることは確かでしょう。テレビが一つしかない時代で仕方なく観ていたのではなく自分から好んで観ていたのですから。

なぜか『シェーン』は観た記憶がないんですけどね。

 

そういう基盤の上でマリリン・モンローが私が教えられた「可愛い女」でした。こてこてのマッチョ世界の中で成長したわけです。

そうした中でオードリー・ヘップバーンの『ローマの休日』を知りジュリー・アンドリュースの『サウンド・オブ・ミュージック』を知るのですが、私はあまりに男性世界にはまりこんでいたのでこうした女性的な映画はあまり好きではなかったのです。

今は『サウンド・オブ・ミュージック』がどんなに素晴らしい映画かと感じますがあの頃の私にはそれが判らなかったのです。

 

むしろ『サイコ』を筆頭とするヒッチコック映画に傾倒していきました。今でも『サイコ』は特別な作品です。

2001年宇宙の旅』はなにかさっぱりわかりませんでしたが、お猿が骨を打ち下ろす場面は確かに衝撃でありました。

『ウェストサイド物語』は私にはあまり響く映画ではなくやっぱり『大脱走』みたいな映画のほうに惹かれていた幼少期の私でした。

 

1970年代、そして私が10代も半ばごろになってくると映画の見方も変わってきます。

小さな恋のメロディ』はまだほんの子供たちの恋物語ですがそれまでのラブストーリーではない革命的なものがありました。

『時計仕掛けのオレンジ』はさらに社会への反抗を感じさせます。若者言葉で書かれた本も出版されていて世界が違うのだと感じさせてくれました。

60年代までの価値観(社会としてもジェンダーとしても)が70年代になり自分自身10代になるとそれまで当然だった規則を打ち破りたいという意志が芽生えてくるわけです。

オーメン』怖ろしい子供の物語。

『キャリー』目立たない何の価値もないような少女が爆発する物語。

 

そして私が映画をはっきりと「観るべき」と思ったのは15歳の時に観た(と計算上なるのですが)『スターウォーズ』からになるのです。

これは小さい時から西部劇ものを基礎としてきた私には入りやすい門戸でした。

 

当時映画界はスピルバーグの『未知との遭遇』を観るか、ジョージ・ルーカスの『スターウォーズ』を観るかで二分されていました。

同じSFとは言え『未知との遭遇』は本格派であり内容があるという評価に対し、『スターウォーズ』は子供だましの軽薄なSFと評されていたように記憶します。

宇宙の酒場で化け物みたいな宇宙人が酒を飲んでいるというというのはサイエンスフィクションとは言えない、と言われたのです。

私は圧倒的に『スターウォーズ』一択でした。

というか『未知との遭遇』は非常に退屈でしかなかったのです。『ジョーズ』も『E.T.』も退屈だったのでスピルバーグとはそりが合わなかったのですね。最近観た『ターミナル』と『ペンタゴン・ペーパーズ』で感心しましたが。

とにかく『スターウォーズ』から私の本格的映画鑑賞の歴史が始まったと思います。

 

続きます。