ガエル記

散策

『ペスト』カミュ その1

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私は録画しておいたので今現在観ております。

尚且つこの放送後も読まないままだった本著『ペスト』をやっと読み始めました。

紙の本を待っていられないのでkindleで。

そして「100分de名著」を観る、という複合技を繰り出しています。

 

なんでしょうか。やはり単なる創作物として観ていた時と実際に自分自身がオランの町にいる、という状況下で読み、観るのではまったく違うのですね。

まあ、私がいる場所は田舎で恐怖が差し迫っているわけではないのですがそれでもいつ自分が、もしくは身近な人が、という不安はあるわけです。

 

私たち世代は直接戦争は体験せずにすむのかも、と思っていたのですがコロナウィルスはある種の戦争だと例えられているのは間違いではありません。

大きな自然災害があり、大きな疫病の脅威を体験する世代になってしまったのは確かで人間はいつどんな理由で死んでしまうのか、予想はつかないのですね。

 

私たちの世代はまた子供時代に小松左京というSF作家によって「日本沈没」という自然災害、「復活の日」という感染症の恐怖を教えられて育ちました。その世代が成人し世の中を動かす時期になっているのにも関わらず小松左京氏の貴重な教えを有効に活用してこなかった気がします。

地震と感染という大きな予言を活かすことができず、その時を迎えて慌てて小松左京を引っ張り出している私たちはあまりにも空しい存在のようです。

 

同じようにカミュの『ペスト』はヨーロッパの人々の教えになっていたのでしょうか。

よくわかりませんが世界には素晴らしい想像力のもとに物語を創作できる人々がいて多くの人がそれを読むことができるわけです。

問題はそれをどんなふうに考え導いていけるか、なのですね。

社会的に活用することももちろんですが、自分の心の支えとすることは大切だと思います。