続けます。
この時期に書くのは申し訳ありませんが、やはり自分としては大林宣彦映画は自分とは違う世界だなあと思いました。
ゴーストストーリーにはとても興味があるし、それが『牡丹灯籠』であるならより一層なのですが時代的なこともあるのでしょうが大林演出が私には観ていて心惹かれるものではないようです。
今朝も書いたのですがレビュー一般に多いのは主人公が子供時代に亡くなってしまった両親ゴーストとの対話はとても良くて感動なのに美女ゴーストとのパートが蛇足に思えること、そして両親ゴーストのパートでの風景が昔懐かしいものだということですね。それに引き換え美女ゴーストとの逢瀬はあまり・・・という事なのですが、美女ゴーストのくだり自体が『牡丹灯籠』なのでこれも話が判る人なら昔から語り継がれている落語のひとつ、という事でありますし、主人公は寄席で父親ゴーストと最初に出会うのですからどちらのパートもいかにも東京のつまり江戸っ子らしい物語、ということになるのでしょう。
相手が美女であるのか、幼少の時、充分に愛を求めきれなかった両親であるのか、どちらにしても現実よりも異人たちとの世界にむしろ心休まるものを感じてしまう主人公に共感してしまうのは不思議なことではないのです。