上の映像を撮りたいために作ったのではないかと思えます。
とても奇妙で不思議なテイスト(ワイン映画だけに)の作品でした。
ネタバレしますのでご注意を。
この不思議感は女性監督だからでしょうか。監督がニュージーランド人、俳優はフランス人ベルギー人、ニュージーランド人、アメリカ人というごちゃ混ぜだからでしょうか。
日本映画は相変わらず日本人一辺倒で作られることが多いですが昨今海外映画は製作もスタッフも俳優も様々に混合されて作られていますね。そうしたことがかつての作品とは違う味わいになっていくのかもしれません。
ギャスパー・ウリエルが大きな翼を持つ天使という姿で登場するだけでなく主人公男性ソブラン・ジョドーと性的関係になっていくのも特別な感覚です。
しかもギャスパー天使は実は天国も地獄も知らない堕天使でソブランに頼んで人間にしてもらうという驚きの展開でありました。
ソブランが妻を愛しながらも天使そして男爵婦人とも恋愛関係になっていくのをむしろ心地よく見えてしまうのはやはり女性監督の感覚だからなのでしょうか。(そしてむろん私が女性ですから)
特に男爵婦人とはワイン造りの良きパートナーとなり互いが尊敬する存在となって恋に落ちていくのです。
ソブランの人生は失敗が多く苦悩の多い道のりでしたが幸福な最期を迎えることができた充実したものだったのです。
ギャスパー・ウリエルの笑顔はほんとう魅力的です。とても独特な不思議な美形です。頬の傷跡が魅力になるなんてこれも不思議です。