ガエル記

散策

『フォードvsフェラーリ』ジェームズ・マンゴールド

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wowowにて鑑賞。

良い映画だと聞いていましたが本当に良い映画でした。文句なし。古臭い時代のノスタルジーが好きであるならば。

 

ネタバレしますのでご注意を。

 

 

 

昨日書いた『ファーストマン』と違い伝統的なアメリカの男たちの物語。スピードと記録に挑戦し続けた開拓者の物語です。

『ファーストマン』が宇宙に飛び出す父と娘というメランコリックでフェミニンな物語なら『フォードvsフェラーリ』は地を走る父と息子そして男同士の友情という臭い物語でありました。

時代遅れの古びた物語ではありますが昔人間にとっては懐かしい味わいでもあります。

車に速度を求めた時代はもう終わっているでしょう。

人間が自分で制御できるスピードには限りがあります。むろんこの映画でケンが挑戦したスピードなど常人には操ることなどできません。

現在の自動車の役割は快適に安全に移動できることでありで自動運転で事故も起こさず室内で睡眠をとることも仕事をすることも映画を見ることもゲームをすることもできるのが良いに決まっています。

カーレースではいつ誰が事故で命を失っても不思議ではなかったのですが、そんな危険を奨励することはもうないでしょう。ガソリンとエンジンの時代も過ぎ去ってしまいました。

 

遠い昔を懐かしむ、そんな映画でした。

クリスチャン・ベール演じるケンの顔がめちゃくちゃ良いです。一方のマット・デイモンのシェルもダサい感じがいつもながらいい感じでした。

悪役もいかにも悪役という顔付でしたw

ケンが息子くんと夕暮れのレース場で語らうシーンが空気まで感じられるようで美しかった。

年寄好みのノスタルジックムービーには違いありませんがこれはキュンときましたね。