イ・ジュニク監督作品鑑賞週刊、初鑑賞は最後になります。これ以降はもう再鑑賞となるか新しい日本版が出るか、韓国語版を観るか、ですね。
ふつうなら本作鑑賞の目的はチャン・グンソクでしょう。有名になった『美男ですね』より数年前の彼なので初々しく素朴なかんじですが私の好み的にはこちらの坊主グンソクくんがイケてるかんじです。
とはいえ主人公はグンソク君ではなく人生にくたびれ果てたおじさんたちのほうでした。
以下ネタバレですのでご注意を。
主人公の男ギヨンは無職者の上に借金を背負って教師である妻に頼って生活をしています。一人娘には頭が上がらないのですが真面目に生活を正そうという意識はなくだらだらと毎日を送っているのでした。
そんなある日、若いころに一緒にバンドを組んでいた仲間のひとりの死去を知らされます。
葬式に駆け付けるとそこには彼の遺影があり、彼の息子がギヨンにあいさつをするのでした。
葬式にはほかのバンドメンバーふたりも集まりました。
ギヨンだけでなくこのふたりも家庭はあるもののパッとしない生活を送っていることがわかります。
ギヨンは再びかつてのロックバンド「活火山」を復活させようと仲間にもちかけるのでした。
そこでいなくなったボーカルを残された息子=チャン・グンソクに頼む、という筋書きです。
よれよれのおじさんたち=バンド再結成=壊れかけた家族が結びつく=人生の再生、という定番と言えば定番の物語なのですがおじさんたちにチャーミングなグンソクのミックスも良い効果が出ています。
なんといっても私的には昨日観た『ソウォン』でも良い味を出していたキム・サンホ氏がここでもめちゃくちゃ良い役だったので笑ってしまいました。正直彼が全部さらっていってる気がします。
誰が観ても面白い映画なのではないでしょうか。
イ・ジュニク監督、重い映画からこんな軽く楽しい作品までしっかり作りこんでいてやっぱりすごい才能だと思いました。
歌もなんだか懐かしいメロディでとてもよかったです。