やっぱこれ面白いです。他のアニメだと「後で観るか」になるけどこれだけは「お、すぐに観よう」となるのが自分自身の心理がわかる。
『漂流教室』を元にしてるといってもまったくのオリジナルなのでいったい何が起きるのか、どう展開していくのかわからなくてわくわくします。きびきびとストーリーが進むのも心地よい。
以下ネタバレしますのでご注意を。
前回私は「本作は楳図かずお『漂流教室』の真似をしてもかなうわけがない。『漂流教室』は楳図氏自身が体験した戦争の過酷さをもとに描いているのだから。ならば現在の作家は別の苦悩をもとに描こうとしているのではないか」ということを書いたのですが、その読みは結構当たったのかな?と3話目で確信したように思えます。むろんまだこれからどうなるのかはわかりません。
後に彼らが『漂流教室』のように飢え、渇き争うのかもしれませんが今のところ本作では飢えや渇きなど微塵の不安もないようです。
なにしろキャラのひとりはアマゾンからハンバーガーやコーラを取り寄せる「超能力」を持っています。これ自体が「現在の不幸」を意味しているのかもしれません。
そして石人間になった仲間を救おうと、というか謎を解明しようとタッグを組むナガラとミズホ。
「自分には超能力がない」といじけるナガラですがこの回でどうやら彼は「違う世界」の扉を開ける力がある、とわかったようです。
石人間のそばに立つと真っ青な空の裂け目が現れナガラが「空」をつかむと黒いカーテンが現れる。
そして長いカーテンで仕切られたソファがおかれた空間に入っていく。
これは『ツイン・ピークス』の世界のはざまですね。
『ツイン・ピークス』では「ホワイトロッジ」=善の世界と「ブラックロッジ」=悪の世界を結ぶ「待合室」のようなものらしい。
であれば「赤い部屋」ならぬ本作の「黒い部屋」はこれからも別世界への入り口として使われていくのかもしれない。
お若い方はあまり知らないようですが一定世代のオタクなら『ツイン・ピークス』の「赤い部屋」はお馴染み。
「世界のはざま」というイメージです。
しかし本作ではそのイメージもひと工夫されています。
青空をつかんでひっくり返すと「黒い部屋」に入ってしまう、という発想は素晴らしいと思いました。
ナガラの能力も垣間見えキャラクター達も動き始めた感がありますが謎はまだまだ深まるばかりです。