ガエル記

散策

絶対的な救済が欲しいのです。

n現在流行りで人気のマンガアニメを観ていると「みんな救済を求めているのだな」としみじみ思ってしまいます。

私自身だってそうですがこのやりきれない世界の中で自分がどんなに頑張ってももうどうにもならないと気づかされ誰かに「お前を必ず守ってやる」と言われたくてしょうがないのです。

 

物凄い人気となった『鬼滅の刃』私は何度か入り込もうとしてギャグがどうしてもダメでとうとう入れなかったのですが話を聞いているとやはりそういう気持ちを感じてしまいます。

良い年齢の男性たちから「煉獄さんは・・」という敬称付きで呼ばれてしまうキャラがいます。

他のどのキャラよりもこの名前を何度聞いたことか、主人公よりもこの名前が呼ばれたのではないでしょうか。

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このマンガ・アニメには「守ってやる」「必ず守る」「誰も死なせやしない」などの言葉が力強く発せられます。特にこの煉獄杏寿郎はそれらの言葉を口にするのですがマンガでは大声を意味する吹き出しが付けられアニメではきっぱりと言い放つ断言として表現されます。

マンガアニメを観た人々は「ああ、煉獄さんが守ってくれるんだ」という至福を味わえたことでこの作品を観ずにはおられなくなったのだと思えます。

 

そして「お前も力を尽くせ」「お前を信じる」という彼の言葉にうなずいたのは若者たちよりどうやらおじさんたちが多かったように思えてなりません。

 

これまでもそんなマンガアニメ作品はあったには違いないのですが、ただひたすら「守ってやる」と大きく言い放つキャラがこんなにも多くの支持を受けたことはなかったのです。

 

そして今朝こんなブログをツイートで教えてもらいました。

いつも見ているもちぎさんのブログです。

note.com

もちぎさんのマンガはとてもおかしくて面白くて辛辣で優しくて大好きです。

このブログ文も同じくそんな感じでした。

 

ブログはもちぎさん持ち味の軽妙なタッチで綴られます。

もちぎさんはTwitterでエッセイ的なマンガを発表していてその中ではゲイ風俗で働く彼が体験する様々な人間模様がおもしろおかしく語られていきます。時には深刻な事件にあっても独特の解釈で切り抜けていくのです。

そんなマンガを読んだファンの中にはやはり自身も辛い悩みを持ち「もちぎさんならわかってくれる」とダイレクトメールで打ち明けてくる人もいるのです。

もちぎさんは返事はしないけどそんな人たちの打ち明け話を受け止めるためにDMを解放していると言います。

中にはとても信じられないほど突飛な話もあるけど自分は必ず信じている、ともちぎさんは書きます。

そしてそれらは本当は警察や病院で相談すべき話なのに彼らはきっとそれを知っていながらあたいに打ち明けるのだ、と書くのです。

それはそんな人々がもちぎさんだけに期待をしているからです。

もちぎさんは書きます。

 

それはどんな期待かと言うと、たぶん、絶対的な救済だ。

 

それら人々が求めているのは答えというよりも「絶対的な救済だ」ともちぎさんは感じたのです。

 

「もう苦しい。誰にも助けを求められない。ダメなんだ、だからぜんぶ、あなたが助けてくれ」

 

これはおじさんたちが煉獄さんに感じた言葉にも思えます。

もちろんおじさんだけではなく鬼滅ファンの多くが煉獄さんに感じたことなのでしょう。

マンガを読んだとしても実生活の解決にはなりません。だけどみんなが求めているのは回答ではなく魂の救済なのです。

だからこそ『鬼滅の刃』は爆発的な支持をされ煉獄さんは誰からも「煉獄さん」と呼ばれてしまうのです。

 

それはマンガだからいいけど実際に存在する人間のもちぎさんが煉獄さんを期待されるのはあまりにも酷です。

それなのにもちぎさんはひょうひょうとそれを受け止める覚悟を決めてしまってる。

 

(どうせそんなこと無理だろうけど。でもそれだけはあなたは言わないでくれ)

 

という人々の勝手な期待を受けて立っているのです。

 

それは、答えを求めるけれど、結局答えなんて必要なくて、実際求めているのがただただ救いだからなのかもしれない。

 

ここまでコピペしてしまうのは本当に失礼なのですがあまりにも凄いと思いここに書きたくなりました。

このブログ文はずっと公開することにします、という但し書きに甘えさせてもらいます。

 

現実の煉獄さんたるもちぎさんの考えは素晴らしいと思います。

逆に言えばマンガの煉獄さんであってはいけないのです。

 

あんたは恥ずかしくない。

 

この一言が凄い。

 

もちぎさんのブログ読んで欲しいです。

現実にいる煉獄さんはもっとかっこいいと思いました。