ガエル記

散策

『宇宙人ポール』グレッグ・モットーラ

f:id:gaerial:20220109061756j:plain

2011年製作。

以前に確かアマゾンプライムで初鑑賞してメチャクチャ惚れ込んでしまいました本作『宇宙人ポール』今回wowowで放送しているのを見つけ飛びつきました。

アメリカンコメディとは一味というかまったく違うUKジョークが楽しい。

これを観てポールを好きにならない人がいるのでしょうか。やはりとても愉快でおもしろかったです。

 

そう、とにかくポールのキャラ造形が最高です。

といっても見た目は今までさんざん見飽きたよくある「宇宙人」なのですがそれがこんなにステキに思えて好きになってしまうのは結局大切なのは「人柄」ということなのですね。

知的で皮肉があってしかも温厚で人情家、優しさとクールさを併せ持つ彼を好きにならずにはいられないでしょう。

 

ネタバレしますのでご注意を。

 

 

 

その「宇宙人ポール」としばしの活劇冒険を繰り広げるのがアメリカの「コミコン」にやってきたイギリス人コンビ・グレアムとクライブ。小説家とその挿絵画家という相棒でもあります。

思いきりオタクのふたり組はUFOオタクにとって聖域でもあるエリア51付近を通過した際にマジで宇宙人のポールと遭遇してしまうのでした。

 

爆笑のSFパロディの数々。主人公がUK組なのもあってその笑いはちょいクセがあって辛辣です。

例えば死んでしまった鳥を念力(あれはベスト・キッドのミヤギさん?)で生き返らせた後食べてしまうようなブラック系でありまする。

 

途中で出会うこちらは宗教オタクというべき?父娘との成り行きもおかしい。

娘のルースは極端な信仰を持つ父親の影響で偏った生活を強いられてきたのですがポールを見て衝撃を受け、彼の念力のおかげで失った片目の視力を回復し自分の考えが偏狭だったことにも気づかされていきます。

このルースの物語も作品に深みを与えていると思います。

 

最後にシガニー・ウィーバーが登場するという楽しみもあります。

彼女はオタクにとっての女神様ですから。しかしその女神をあっさり踏みつぶしてしまうというのもまたブラックな。

 

オタクにとっての人生観が見事に表現されている映画作品です。