#4から続く。
非常に考えさせられる作品です。
ネタバレしますのでご注意を。
ここ最近のコンテンツを観ているとほんとうに「時間」が題材になっているものが多い。
それだけ人々が後悔していることが多いのだろう。
「あの時ああしていれば」「あの時こうなっていれば」
しかし時間を戻すことはできないし過去は変わらないのだ。
それでも人は後悔してしまう。
「あの時・・・」を考えずにはいられない。
「時間」を扱った作品はその発想を得た時から数多くつくられてきたが昨今特に多くなってきたのはそれだけそうした思いを持つ人が多くなってきたからだ。
とはいえコンテンツの中でそうした後悔を単純に作用させ自分にとって嫌な事実を良い方向へ転換させてハッピーエンドというのでは安直すぎる。
そこで考えられたのが「バタフライエフェクト」で都合よく物事を変えてしまうとそのせいで様々な事象が変化しとんでもない方向へ物事が進んでしまいとどのつまりは願ったような結果にはならない、という筋立てである。
日本では(ほかのどこでもだろうか?)このアイディアが非常に受け入れられたようで頻繁にコンテンツに使われているように感じます。
それでもこれも実際にはあり得ないことで過ぎた時間は取り戻せない。だからこそ人生は過酷だし物語は面白くなるのです。
本作『時光代理人』はこれまでのところは頑なに過去は変えない、未来は問わない、を厳守していてそれゆえの面白さを保っています。
だからこそのどんでん返しがくるのかな、という期待もあるのですが、さあてどうでしょうか。
とにかく非常に楽しく観れます。
トキが感情的に「時間を変えたい」と訴えヒカルが「時間は変えられない」と制止する、このやり取りが上手い。
となれば最後にヒカルが「時間を変えたい」と願うのでしょうか。それは怖い展開のようにも思えます。