良い表紙だなあ。
関係性が表現されています。
ネタバレしますのでご注意を。
女型の巨人エピソードは本当に面白い。ここに諌山氏のセンスが現れていると感じます。
美しい巨人女型と戦うエレン巨人。
どこかでアニに惹かれているエレンに嫉妬するミカサという構図。それらを冷静に判断しているアルミン。
エルヴィンの智謀とリヴァイの冷酷と見えて実は思いやりを隠している、様々な物語が交錯していくこのパートは非常にドラマチックであります。
ここ、女型巨人が壁を登ってあわや逃げられてしまうかというのをミカサが両手指を切り落として突き落とす場面のすばらしさ。
この次原作はあっさりとした展開なのをアニメでは膨らませていますがこの演出は確かにアニメのほうが解りやすくもあり心理描写が細やかにもなりよくぞ変えてくれた、と思います。
アニメではエレン巨人がアニ巨人を最後捕獲した時にアニ巨人の硬化がエレン巨人にまで広がりすんでのところでリヴァイが阻止するという胸アツな展開になりますがあの硬化は性的な交わりを意味していると感じました。
事実エレンはミカサに「あの時たまらなく気持ちよくなってそのまま死んでも良いと思った」と語ります。
そして「今はそんなこと思っていねえよ」と言いますがミカサにはきつい言葉でした。
そもそもエレンはアニに好意を持っている、とミカサは思っていたのが同じ巨人どうしということに自分にはどうにもならない引け目を感じてしまうはずです。
ここは『ガンダム』でのアムロとララァのような特別な関係性を感じます。
アニが硬化し何も情報を得られなくなってしまったのは結局エレンの躊躇いが原因だとアルミンは突き放します。
しかしその時にミカサはエレンをもう咎めません。このミカサのエレンへの甘さも魅力です。
そして硬い結晶に中に自らを閉じ込めたアニの表現の美しさ。
原作マンガではこのアニ捕獲騒動中、ミカサが壁の中に埋もれている巨人を見つけてそのまま話が進みますがアニメはここでファーストシーズン終わりの幕を引くためエピソードが改変されるわけですがこれがかえって良い結果になりました。
そしてファーストシーズン最後に唐突に壁の中から巨人の目が見えているという謎めいた終わりで印象付けています。これもうまい。
さてアニメは次回からセカンドシーズンへ。
原作は8巻の終わりころで普通に続いているわけです。