と再読・再鑑賞を続けているのですがつまりマンガは一応最後まで読んでいます。
ここにきて「ん?」となった疑問があります。
そこで今回はちょっとそこについて書いてみます。
なのでタイトルとはちょっと無関係の内容です。
ネタバレしますのでご注意を。
その疑問というのは
「結局、ヒストリアが生んだ子どもの父親は誰なんだっけ?」
です。
いやアニメでもその部分はきちんと描写説明されていました。
なんでもヒストリアが幼い時に彼女に石をぶつけていた男子が長じてそのことで心を痛めヒストリア女王が経営する孤児院で働いていた青年と結婚し生まれたのだというのです。
ところがこの重要な青年は容姿すらよくわからないしふたりのエピソードもまったく語られてはいません。
しかもその青年と一緒にいる時のヒストリアはいつも暗い表情で幸せな結婚生活というイメージが伝わってこないのです。
ところで一度読み終えた私は
「ヒストリアはエレンとセックスをして妊娠し出産したのだ」
と思っていました。
つまりなんの疑いもなくそう思い込んでいたのですが最後まで読むと逆にあれっとなったのです。
「それにしては何の感慨もなく終わってる」
つまりエレンの子どもだったら最後になんらかの描写がありそうなものです。
ヒストリアが子供に「あなたのお父さんは素晴らしい人だったのよ」みたいな。
しかし子どもとヒストリアの場面はすらりと流されただけでした。
自己解釈をあきらめた私はネットに頼ってみました。
どうやらヒストリアの子どもの父親は誰?疑惑は他の方々にもあったもののようで私だけが理解不能ではなかったのだと安堵しました。
つまり「石をぶつけた男子が夫に」という説明には皆さん納得できなかったのとやはり「エレン父親」説が大きいのですね。
私などは疑いもなくエレンとヒストリアが結ばれたのだとして読み進めてしまったのですがその直感は当たっていたのだ、と解釈していいのではないでしょうか。
まあ普通の人であれば「ミカサがいるのにそんな馬鹿な」とか「あり得ない。エレンってなんなの」という枷が強くてそこで激しく反応すべきなのにするっと思い込んでしまえるのがおかしいのかもしれません。(たぶん年齢的に鈍感になってしまってますね)
とはいえ諌山氏はヒストリアの心理はほとんど触れずミカサに寄り添って描いているのですしエレンのヒストリアへの気持ちには深入りしなかったことからもその微妙な感情は描写できるものではない、しない方が良いと判断したのではないでしょうか。
もしかしたらエレンとミカサもあの場所で結ばれていたのではないでしょうか。
しかし運命はヒストリアに子を授け、ミカサは儲けられなかった。
それはエレン自身がミカサを愛しているからこそ自分ではなく別の男性と幸福になってほしいと願っていたからかもしれません。
その相手がもしジャンであればなおのこと、というのは余計なおせっかいかもしれませんが。
『進撃の巨人』は物語も複雑で繊細であり人間関係も同じように細やかに設定され描写されています。
こうした叙事詩はよくタペストリーに比喩されたり実際になったりしますが複雑に詳細に織り込まれたすばらしい織物を見るかのようです。
星の数ほどのマンガ作品の中でもここまで丁寧に細かく織り込まれた作品はないと思います。
この作品が小説であったらここまで細やかに表現は出来なかったに違いありません。
絵であるからこその表現です。
そしてそれは諌山氏の絵だからこそここまで描写できたものであり氏の技術が他の日本の作品と比較して拙いようにいうのはまったく間違っていると確信します。
ところで『進撃の巨人』を書き終えた諌山氏の新作について期待も高まる時期ですが、わたしは出来得るものならこの作品にまつわる話を書き続けて欲しいと思ってしまいます。
いきなりこの物語から遠い未来の話になってもいいし、一人ひとりのエピソードを書いてくれるのでもいい。
もちろんまったく違う作品を発表されるのも自由ですが、まだまだ若い作家なので時間はあると思います。少しずつでもこの世界を広げてもらえたら、と願ってしまいます。
本当にタイトルと関係ない内容になってしまいました。
アニメの終わりは長引いてしまいましたが、残り可能なアニメ再鑑賞と原作再読を続けていきます。