ガエル記

散策

『私ときどきレッサーパンダ』ドミー・シー

 


最初TVでの宣伝を観た時は「レッサーパンダになってしまった女の子とかのアニメ観たいか?」と思ったのですが観た方々のツイートを知って思ったものとまったく違うとわかり急に気になりだしました。ということで相変わらず日本の映画宣伝謎すぎます。

そのツイートというのは「オタク女子には痛すぎる」「とても冷静に観ていられない」という若干ディスり気味感想なのですがそれだけに観ずにはおけなくなりました。

 

で、初の「ディズニー+」加入にまでいたりましたw且つすぐさまこれを鑑賞したのですが・・・・想像以上予想以上に良かったです。

 

ネタバレしますのでご注意を。

 

 

 

 

勿論主人公と同じ年代少女向けの作品なのでしょうから主題に焦点を当てノイズはかなりキャンセリングされたものとしてシンプルにはなっていますがそれでも見ごたえのある作品でした。

女の子を主人公にした映画やアニメは数えきれないほどありますがそのほとんどは男性監督の目を通したものです。男性監督が自分の少年期を思い出しながら作った少年主人公作品とはおのずと意味合いが違ってきます。

その点本作は女性監督の手によるものでプロデューサーはじめスタッフもほとんど女性と聞きます。女性の目を通した少女描写はここまで今までのそれとは違うものになるのだとわかりました。主人公や同性の友人たちは外見からして男性作家のものと違うのがはっきりしています。その友情も行動も異性を見た時の反応もしかりです

尚且つ主人公のメイメイは監督と同じく中国系移民の子孫として描かれています。チャイニーズのイメージが以前の白人系監督が描いたものとは明確に違うのがわかります。

まず細目つり目ではないですしwそれでいて先祖を敬い親に従うDNAと勉強熱心でまじめなキャラクターを持つ少女だという点は強調されていきます。

変身する対象がパンダではなくレッサーパンダ=赤いパンダを選択したのは正解だったのではないでしょうか。

女の子の意味合い、初潮の比喩もありますが、メイメイが母親から極端に「良い子」であるのを期待された反抗の色であり良い子のメイメイが感情的になる色でもありなんといっても可愛いのです。

 

最後はアニメ映画らしい大盛り上がりとなり母親や祖母そして先祖様と新たな契約を交わし己の中のレッサーパンダを封じ込めてしまうのではなく共存しながら成長していくことを選ぶ、というアメリカ映画らしいまとめ方でした。

 

思った以上に感心しました。

アメリカで今まで見えない存在だったアジア系女性の活躍が最近急に目立ってきています。それはとても嬉しいことです。

なおドミー・シー監督は映画の内容通りカナダのかたです。