ガエル記

散策

『塔の上のラプンツェル』バイロン・ハワード /ネイサン・グレノ

そして下が元々のポスター

いつも比較されることですがここまで違う?

日本でもいい加減こちらで良いと思うのですが。

しかもこういうのもあったり。

 

 

さて、ネタバレしますのでご注意を。

 

ディズニー+に加入しなければ観ないままだったかもしれませんがちょいちょい気になってはいたので鑑賞しました。

 

先に『メリダとおそろしの森』を観てしまったのでこちらはやや古めかしいスタイルに感じます。

「少女の自立」をテーマにするのならやはり母親は義理の母・魔女にさらわれて育てられた、という設定ではなく「実の母」であるのが良いのですが本作では母親が「意地悪な魔女」であるといういわゆる隠れ蓑的な母親表現になっています。

そのため実の母親はほぼ何の描写もない状態となってしまい魔女の結末は娘(とその恋人)から殺害されてしまうという後味の悪いものになるのですが完全にそこには触れない不思議なあっさり感で終わります。

また女性の自立にはハンサムな若い男性が必要、というのも定番すぎる気がします。

 

ラプンツェル』は2010年、『メリダ』は2012年なので本作を観て「少女の自立はこうではない」というアンサーにも思えますが2年では製作できるわけもないのでここはピクサー映画が上に行っている気がします。

 

とはいえ興行成績としては『ラプンツェル』のほうが世界的にかなり上回っているようですしましてや日本においては『メリダ』が徹底的に悪評だったので本作のほうが3倍も上回る売り上げとなっているわけです。

やはり日本では旧式スタイルのほうが受けるようです。

 

とまあ辛口に書いてしまいましたが観ている間はそれなりに楽しみました。

しかし(とまた書いてしまいますが)意地悪魔女以外誰も見ていなかったラプンツェルがどうしてあんなに表情豊かなのか納得がいかない・・・。表情はDNAより環境なのでは、というところでひっかかってしまいました。

ふむう。

というか、それでいうならお姫様があそこまで表情豊かなのも奇妙ですけどね。

アメリカ製だから仕方ないか・・・・。

そこらへんも古代にした『メリダ』が優勢です。

 

昔話を下敷きにするのはもう無理があるのでしょう。実際これ以降オリジナルが多いように思えます。