ガエル記

散策

『如懿伝〜紫禁城に散る宿命の王妃〜』14

46話まで鑑賞。

 

ほんとうの幸福な結婚とはなにか、というお話でした。

 

 

ネタバレしますのでご注意を。

 

 

驚いたことに如懿の側女である惢心が拷問にあうことに。

如懿の潔白を示すために必要な処置だったと皇帝はいうのだが如懿は納得がいかない。

皇帝の言い訳は「最初に如懿を皇后にしたかったのに周囲の反対があった。今回如懿を再び皇后に推すためには周囲の疑惑があってはならない」というものだ。しかし如懿は「若い頃とは違い今の皇帝には絶対的な権力がある。なぜ惢心のような侍女を拷問にかける必要があるのか」と反問する。

 

皇帝の描写に変化がある。

皇后の死後、皇帝はすっかり面差しが痩せて髭を蓄え沈鬱な表情になってしまった。

ひとつは「女たちがちっとも思うようにならない」からでしょうな。

「女性は美しくしとやかで従順ではかなげなもの」と思いそういう女性を理想としていたに違いない男性である皇帝はそういった女性たちを従えて意のままに従わせその状況で愛してやろう的な思惑だったにちがいありません。

ところがどの女性も一人残らず反抗し謀略をめぐらすばかり。

それはどれも可愛らしい嫉妬なんてものではない、凶悪な謀だ。

他の女性を陥れ他の子どもを排除し自分だけを認めさせようとする、などということを愛する妻たちがほんとうにやってしまうなんて信じられないのでしょう。しかし一夫多妻というシステムの中でそんな謀略がないなんてことあるはずもなく。

対照的につつましく庶民の夫婦が誕生する。

拷問を受け足に酷い傷を受けた惢心を医師・江与彬は懸命に治療し求婚する。体に残った傷を悲嘆し一時は断った惢心だったが如懿に「あなたのような結婚が私の夢だった」と言われ決心をする。

皆に見守られ祝福される江与彬と惢心。惢心をずっと思っていた宦官・李玉もふたりに贈り物をして祝福するのだった。

李玉の思いやりに打たれます。宦官、というシステムもまた怖ろしい人格破壊です。

 

またもや如懿の才覚で難を乗り越えさらに嘉貴妃には貴人への降格と最強の右腕だった貞淑が母国へ追放されるという罰が与えられる。

妊娠していた嘉貴妃は死産。そして念願だった母国の王との再会は一瞬だけのものとして終わった。

ここ、若き頃思い合った仲とはいえ20歳年取って化粧も衣装もなくオデコが真っ赤に腫れた女性が追いかけてきた、ってだけしか見えてなかったってことはないのか。

王のほうから見ればかなりおかしな対面だったように思える。

 

衛嬿婉しぶとくガンバっていますがなんかもう言うことがいちいち気に障る変な悪役です。天然悪役?

 

そして第一皇子が孤独の中で死去。

見舞いにもいかず葬儀にも出なかった皇帝は胸の内を如懿に打ち明ける。

心が弱い男、それが皇帝なのです。