ガエル記

散策

『如懿伝 〜紫禁城に散る宿命の王妃〜』26

ついに87話まで鑑賞完了しました。

長い道のりでした。記事タイトル通り26日かかったわけですね。これまでにも何度かとぎれとぎれに観ていたという状態ではあったのですがやはりまとめて流れで観るのはすばらしく良い鑑賞でした。

 

 

ネタバレしますのでご注意を。

第86話。

稀代の悪女となってしまった炩皇貴妃=衛嬿婉の様々な悪行がここですべて弾劾されます。

皇帝が瀕死かと聞いた衛嬿婉は昏睡状態を確かめ皇太子の名を記しているとされる勅書の箱を開く。そこには何もなく、衛嬿婉はあらかじめ作っておいた息子の名を記した偽の勅書を入れようとした。その途端皇帝の声が衛嬿婉の動きを止めた。

皇帝の危篤は嘘だったのだ。

 

衛嬿婉は皇帝のために世継ぎの名を用意した、と言い逃れようとするがそこへ海蘭が登場する。

怒りに燃える海蘭は次々と証人を呼び衛嬿婉のこれまでの悪行を語らせる。

衛嬿婉はなおも言い逃れようとするがそこに皇太后が現れて如懿の息子に毒キノコを食べさせ続けていたことを暴露する。

 

皇帝は衛嬿婉にいつまでも繰り返し激しい痛みで苦しむ毒を与える。

 

如懿の住む宮の門は開けられた。如懿を慕う妃嬪たちが訪れ祝おうとするが結核を患う如懿はもう誰とも会おうとはしなかった。

 

皇帝も如懿に再会し元に戻りたいという気持ちを表すが如懿の答えは「蘭因絮果」だった。

「美しい愛情も最後は悲しく終わる」

 

如懿は仲の良かった頃に描かれた皇帝と皇后が並ぶ絵から自分の姿を切り取って燃やしてしまう。

皇帝が狩り場に旅立った夜、静かな宮で如懿は忠実な侍女容珮と茶を喫ししみじみと語る。

「もし後宮に争いなどなかったら今ここに死んでいった元皇后や妃嬪たちが集まって皆でお茶を飲み笑い合えた。そこには皇帝もいてくれたはず。そんな幸せがあったのではないかしら」

如懿の願いはそれだけだったのだ。

 

容珮にお茶のお代わりを頼むとその間に如懿は眠るように命を終えた。

容珮もその後を追ったという。

 

私は乾隆帝とその后たちの物語をまったく知らないのですがこのドラマはおおよそwikiにもある歴史をなぞっているようです。

如懿は48歳で亡くなっています。つまり若くして・・・という年齢ではないのですが皇后としてもう少し幸福な期間を送れたらという無念さがつのります。

 

しかし如懿が再び皇后に戻されることはなく無名で埋葬されているのは事実。

その意味を本作は「如懿にとって寵愛や権勢や皇后の位などどうでもよかった。善には善の悪には悪の報いがあればよい。皇帝への情愛こそが大切だったのだ」という物語にした。

なので如懿にはなんの位も記述もないのだと。

如懿と皇帝の睦まじき絵を元通りにせよと命じられた西洋の画家郎世寧は「もう元に戻すことはできないのです」と断る。

 

もし皇帝が如懿との最後の再会の時違う言葉を言えたら或いは結末は違っていたのかもしれません。

しかし乾隆帝はあくまでも皇帝として生きねばならなかった。

如懿はこの時すべてを諦めたのでしょう。

 

 

乾隆帝は89歳の生涯だったようです。体が強かったのでしょうね。

結局は炩皇貴妃が産んだ息子を世継ぎにしたのですが上帝となった後も権力を振るい老害となり果てたようですw

かつて元皇后をうしなった皇帝がやたらと愛情を示すのをみた如懿は「愛情はその人が生きているうちに示さなきゃいけないの」と語りましたが如懿自身にもそうであるべきでした。というお話でしたね。