昨日のトルーマン・カポーティに続きトーベ・ヤンソン。
同性愛者であったというのが(トーベはバイも少しあるけれど)共通点かもしれませんがその人生は大きく違います。なんならまったく共通しないほど。
それはやはり家族愛の違いに尽きるのでしょう。
親から愛されなかったこどもはやはり弱い。そこから自分だけで強くなるのはあまりにも困難なのです。
トーベのプロフィールを見ると映画化されたこの時期は彼女にとって最も頼りない混沌の時期と思えます。だからこそ映画化されたのだとも言えますが。
ところで他の方のレビューを見るとあまり良いとは言い難い評価が多いようです。
やはり「ムーミン」の生みの親らしいファンタジックな人生と恋愛を期待したのにそれとは大きくかけ離れていた、というものなのでしょう。ハリウッド的な盛り上がりもなくあっさりと不倫と同性愛を実行するトーベ氏の姿は望むものではなかったということらしい。
たぶんもっと幼少期か後期の島の生活のトーベならばもう少し期待に添えたのかもしれません。
しかしあえてのこの混沌期を選択したのは悪くなかったと思います。おおよその人生というより恋愛も仕事も不安定で先が見えない悩み多き時期を映し取ってくれたのでした。
確かに大感動という映画作品ではないかもですがじんわり観ることができました。
もちろん私も後期の島の生活にも興味がありますし少女期もいいのではないかと想像します。
時々描かれるイラストの可愛さに惹きつけられました。やはりトーベのキャラクターは魅力的です。