ガエル記

散策

『瓔珞<エイラク>~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~』その4

向かって右が瓔珞です。この顔を観てもよく描かれる絵画のよう、と思ってしまいます。

 

ネタバレしますのでご注意を。

 

 

母親に酷く罵られる嫻妃。昔の物語は毒親が当然のように出てきます。そのために人格が歪み人生が狂っていくのです。逆に言えば毒親がいるからこそ物語が面白くなっていくともいえるのですが現実にこんな親がいたら子どもはあまりにも悲惨です。

一方親に溺愛されていた弟は長男ということでこれも歪み切った人格だったのでしょう。

 

ところで『如懿伝』と『瓔珞』は同じ皇帝と後宮を題材にした、ということだけでなくエピソードも基本同じなのが面白い。

本作での最大の悪役・高妃がいない『如懿伝』では嘉妃が犬を飼うことになっていましたが本作でも高妃の代わりに犬を世話している設定になっています。この辺りは史実として存在するということなのでしょうか。

ただ『如懿伝』の嘉妃の犬が猛々しい痩せ犬だったのでそれだけで怖かったのが本作ではおっとりとしたペキニーズ(字幕は狆となっていましたが)でかわいい。これを怖がるのは難しい気がしますw

生まれが貧しいために後に令妃となる瓔珞が懸命に研鑽するという話も同じですが本作では皇后自ら教え導く形になっています。

どちらの皇后も一番の美女を選んだ感じがしますが『如懿伝』の皇后は皇帝の愛情を嫻妃に奪われているために可哀そうでもありました。本作の皇后は皇帝の愛情を一身に浴びていてより神々しさが際立ちます。皇帝が皇后を一番に愛している様もなかなかよろしいのですがこれも含め『瓔珞』は「こうありたい」という道徳的物語に感じられます。