テレビ再放送観ていたらラスト近くになって我慢できず以前録画していたのを観てしまいました。
先日『瓔珞』との比較を書きましたがやっぱり私は『如懿伝』が好きなようです。
ネタバレしますのでご注意を。
特にこのラストパートの苦みは何とも言えません。
もちろん頭脳明晰な如懿が毒婦を追い詰め完膚なきまでに叩きのめしてしまう意味ではハッピーエンドともいえるのですがまったくそんな安堵感は芽生えません。
如懿が望んでいたのは弘暦の許しなどではなく愛の言葉だけだったはずです。
最後に皇帝は如懿を労り「すべて水に流せ」と己の位としては精一杯の謝罪をするのですがもしこの時彼が皇帝の威厳を捨てて請いすがっていれば、と思わずにはいられません。
しかし現実は度々まさしくこのとおりであると思わずにはいられません。
そして失ってその価値に気づくこともままあるのです。
それにしてもこのドラマの凄さを私は少しは理解しているのでしょうか。
如懿=嫻妃が皇后となるも自ら髪を切って廃后されたのは史実としてあるとされこれまでもいくつものドラマとして描かれてきたのですがその史実を踏まえての本作の解釈は極めて現代的だと思われます。
位争いではなく真実の愛だけが望みだったのだという如懿の生き方はこの時代にはあり得なかったのでした。
この史劇が事実だったのかどうか、どのドラマが真実なのかどうかはどうでもいいのです。(史実を絡ませていく技巧にも感激しますが)
ドラマで表現された作り手の思いが大切なのです。
その意味でも本作は忘れられない一作だと思います。