正直『チェンソーマン』についての考察は困難で私にはかなり無理なんですがそれでも考えたくなってしまうのは仕方ない。
特に考えるべきはチェンソーマン自身よりもマキマのほうだと思う。
マキマっていったい何?
ネタバレしますのでご注意を。
ツラが良くておっぱいが主張しててデンジに「デンジくんが好き」と言ってくれる。
母親のように面倒見が良い反面思わせぶりにセクシャルでもあって頭が良くて落ち着いててデンジが他の女といちゃついてても怒ったりもしない。
つまり男にとってこんなに「都合の良い女」はいないんだけどそれは全部嘘っぱちだったと最後にわかる。
彼女は「支配の悪魔」だという。
「支配の悪魔」と聞くと思い出すのは『カッコーの巣の上で』のラチェットだ。
彼女ほど恐ろしい支配者はいなかった。
しかし彼女はセクシャルではなかったけどマキマが怖いのはデンジにとってどうしてもどんな目にあっても好きでしょうがない相手だということ。
それはマキマがデンジにとって母性を感じさせる女性でもあるからだ。
母性と言えば思い出すのは『エヴァンゲリオン』
でも『エヴァ』と『チェンソーマン』はちょうど真逆の感じになる。
母体の羊水の中に入りこんで戦うシンジと真逆にデンジは母体であるマキマを食って自分の中に取り込んでしまいそれを「愛」と呼ぶ。
かつて物語は大人になり切れず父と相対し母の羊水に浸ったシンジ少年を描いたが現在『チェンソーマン』には父母は登場せず母の代理であるかのようなマキマを食って一体化してデンジ少年は成長していく。
父親の代理は岸辺だろうか。そしてデンジは一足飛びに娘の代理まで抱え込むことになる。
ヒロイン的存在「パワー」はデンジの恋人というよりは「バディ」と名乗る。こうした存在も『エヴァンゲリオン』の時にはなかった関係性だと言える。アスカがシンジのバディとは言えないからだ。
『進撃の巨人』の時も『エヴァンゲリオン』との対比を感じたのだけどさらに若い『チェンソーマン』は男女の描き方がまったく違ったものになっていると感じる。
まあまあ『チェンソーマン』はまだまだ終わったわけではないのでこれからも考え続けていかねばならないわけです。
なにはともあれ楽しいです。