このタイトルを見ればそれだけで動揺する人がいるでしょう。
気が弱くて画像はこれしか貼ることができませんでした。
ネタバレしますのでご注意を。
知っているのにどうしても泣いてしまいます。
活躍してくれるのが当たり前と思っていてそれを失ってしまうことを想像すらできない。人間はそういうものなのでしょう。
ヤンの最期はあまりにあっけないものです。そしてそういうものなのかもしれません。ヤンを救えず荒れ狂うユリアンとフレデリカの落ち着いた態度のどちらにも涙があふれてしまいます。
ここでフレデリカが言う言葉があります。
「テロによって歴史は動かない、というあの人の主張を覆してしまう」
頷くべき台詞なのですがつい先日私たちはこのヤンの主張が覆った事実を目撃し次々と歴史が動いていくさまを今思い知らされている真っただ中です。
そのテロの背後に(方向性は違うとはいえ)宗教があるのは単なる偶然なのでしょうか。それともそうした「宗教」というものの持つ意味があるということなのでしょうか。
確かに突然の出来事でした。
帝国軍と同盟軍の激しい戦いの後帝国軍からの休戦の申し入れを受けてヤンたちに微妙な安堵があって弛緩してしまった。そこに事件が起きた。
現実もどこか似ているように感じます。
そしてその敵は帝国軍でも内部からでもなく「地球教」というカルト教によるものだった。
安倍元総理をヤン・ウェンリーになぞらえて話すのは自分としては悪い冗談としか思えないのですが歴史の(一つはフィクションだとはいえ)奇妙な重なりとその先の状況のあまりの違いを考えさせられてしまいます。
そここそがヤンと安倍氏の違いだと納得することにします。
それにしても『銀河英雄伝説』という物語は度々現実の出来事になぞらえて語られ続けていると思えてなりません。
そしてそれこそがこの作品が今でも読み継がれ鑑賞し続けられている理由なのかもしれません。