初鑑賞と思っていたら途中で記憶が蘇りました。昔観た時はまったく興味がわかなくてそれで観たことすら忘れていたのですが今回鑑賞でこんなに面白かったのかと呆れました。たぶん子どもだっただけですね。
ネタバレしますのでご注意を。
前回の『事件』とほぼ似たような「いかにも怪しいと思える人物が実は」設定の裁判ものなのですがこちらの方が断然面白くよくできているのではないでしょうか。
やはり野村芳太郎監督は松本清張原作のほうが合っているのかもしれません。
なんといっても悪女鬼塚球磨子=桃井かおりと国選弁護人佐原律子=岩下志麻のやり取りが楽しくてたまらない。こんなに愉快な日本映画は最近まったく観ていない気がします。とはいえ昔の私はそれが解らなかったのだから何も言えない。
しかし気になったのは岩下志麻演じる弁護士が離婚した元夫の新しい妻とのやり取りです。
これは昔の感覚というより個人差なのかもしれませんが一か月に一回の娘との逢瀬を楽しみにいている彼女に「もう娘と会わないでください」と頼むのだ。
「娘のためにも」と言っているけどそれはどうなのか、皆で一緒に愛してあげればいいと思うのです。まあ時期が来ればまた母に会いたくなるのではないかと思ってしまうのですけどね。