『ブレイキング・バッド』の続編でジェシー・ピンクマンを主人公にした映画版。
ネタバレしますのでご注意を。
何故これが本編ではなく続編なのかというのはジェシーが主人公になってしまったからだけでなくこれまで言っていた「因果応報」がこの映画版には効いていないからではないかと思ったりする。
というかもちろんそう意味ではなくドラマシリーズが終わってその後を作る提案がされた時そこには「因果応報」を当てはめなかったのだ。ここからは俺たちの物語だと。
ま適当に言ってますが。
にしてもとにかくジェシーはこれまでウォルターの対比としての「善人」少なくとも「良い心を持ち続ける悪人」という表現がされていたが本作ではそこも覆されてしまったのではないだろうか。
本作のジェシーはそうしたこれまでの枷を外して自分で道を切り開いていった。
最期にジェーンとの会話で「宇宙の法則に従って生きるっていいな」「いいえ良くないわ。自分の道は自分で切り開くべきよ」というのはそういう意味ではないかと考えます。
なのでジェシーは「因果応報」の法則をぶち破って自分で道を切り開いた。
生きるために戦ったのだ。
ところで後で知ったのだけど本作のタイトルでもありジェシーが乗ることになった車の名前「エルカミーノ」はそのまま「道」という意味なのですね。
そして彼は新しい道を与えられたのでした。
彼がどういう人生をこれから進んでいくのか。やはり気になってしまいます。
もうひとつ最後に。
本作でジェシーと濃密な時間を送ることになるトッド。
彼も悪人なのに良い心を持っている。けどそれが奇妙な具合に動作する不気味なキャラクターでもあります。
ジェシーにはプライドを傷つけられたはずなのにあっさり仕返しをするわけでもなく気持ち悪く粘っこい接触をしてきます。この気持ち悪さは面白かった。
そのトッド。最初から「なんでこんなにマット・デイモンに似ているの?」と思ってwiki見たらやっぱり「マット・デイモンそっくりさん」で通っている人だったw
そりゃ誰だってそう思うよなあ。しかも単純なそっくりさんじゃなくマットの役の子供時代を演じたりしてる。
キャラも相まって『リプリー』を思い出してしまいました。