ガエル記

散策

『イカゲーム』その3

鑑賞完了しました。

おもしろかった。最期寸前で「おもしろかったけどもう観たくないし二期は観ないだろう」と思ってしまったのですが最後の最後まで観たらやはりこれは観ないわけにいかない、となってしまいましたね。

 

 

 

ネタバレしますのでご注意を。

 

 

 

とにかく面白かったし考えさせられた。

映像を作りたい作ろうと思ったならこの作品は絶対観るべきなんだろうと思う。

登場人物も限られていて場所も狭い建物内がほとんどでビジュアルも装置も大したものじゃない、という中でここまで面白い作品ができてしまう、というのは参考になるはず。主演も共演もモブもさほど凄い役者が必要なわけじゃない。美形が必要なのは潜入捜査をした若刑事くらいかな。

 

もちろん主演イ・ジョンジェの人好きのする顔と感情豊かな演技あってこその大ヒットになったと思いますけどね。

 

ゲームそのものが「イカゲーム」という子供の遊びを選択したことでかえっておぞましいような不気味さが演出される。だるまさんがころんだ(私の地域子供時代では「インド人のクロンボ」だった。い、言えない)やビー玉遊びで命を奪われてしまうというえげつないグロテスクが展開されていく。

しかし現実社会でも実際人々は奇妙なことで命を奪われ捨て去っていく。

日本では「働きすぎ」という他の国の人から見れば「どういうことなの?」という意味不明な理不尽で自殺する。会社を辞めればすむのに・・・というまっとうな理屈は日本人には通じない。

学校や会社でのいじめ問題で死んでしまう人たちもこのイカゲームで死んでしまうこととまったく変わらない気がするのだ。

イカゲームで死ぬことといじめや働きすぎで学校や会社から逃げられずに死ぬこととどこが違うんだろうか。

少なくとも本作のゲームの途中で逃げるのは難しそうだが学校や会社をやめるのはできるはずなのにむしろ死を選んでしまうのは何故なのだろうか。人生ほど恐ろしいゲームはないのかもしれない。

 

そしてやっぱり韓国作品、「兄弟愛」が何より強かったね。ほんとうの兄弟じゃないけど「兄さん」「弟」と呼び合う関係性が一番深いんだな。

特に幼い頃からの関係性においては。

 

散々惨たらしい殺人を見せられたのに最期で主人公の人間性に共感する。

ネットフリックス世界中で一位になってしまったのは納得です。