ガエル記

散策

『三国志』再び 横山光輝 三十一巻

馬超~~~~『三国志』でイケメン描写は多かれど最高峰と思えるのは馬超なのです。

小説『三国志演義』において、馬超は作中でも屈指の武勇を誇る武将として登場する。「冠の玉のような顔、流星のような眼、虎の体に猿の臂、彪の腹に狼の腰」を持ち、「生まれつき白粉を塗ったように色白、唇は紅をさしたよう」な美将であり、「錦馬超」(きんばちょう)と称えられている。

とウィキに記されている。虎と猿と豹と狼が合体してる上に名前が馬だから物凄い創造物になってしまう。

横山光輝氏作画でも馬超は獣のような面を付属する兜を常に装着した独特の風貌を見せています。頭上の飾りがなんとなくウルトラセブンを思わせてめちゃくちゃ強いのではと慄かせます。(いや当時の人はセブン知らないけど)

馬超描写が続いてしまいましたのでそろそろ中に入りましょうか。

 

 

ネタバレしますのでご注意を。

 

 

 

馬超は「虎に襲われる夢」を見て胸騒ぎがする。果たしてそれは現実となり父と弟たちが曹操によって皆殺しにされたと報告を受ける。

多くの人がこの画像をあげるだろう。若い馬超の慟哭に胸を打たれる。この姿を見ても横山氏描く美しい巨大ロボットのようだ。

 

そこへ玄徳からの手紙が届き「ともに曹操を討とう」と書かれていたが馬超は礼を述べた上でこれを断り荊州の助けなくとも曹操を討つ決意があると伝える。

 

曹操討伐の準備をする馬超韓遂も加わる。韓遂馬超の父・馬騰と義兄弟の約束をした仲だった。

総勢二十万の西涼軍はまず長安へと向かう。

馬超は馬も独特(葦毛というやつかな)でかっこいい。

長安の城は堅固で攻めあぐねたが龐徳の鋭いアイディアで落としてしまう。

 

これを聞いた曹操は次に曹洪徐晃を潼関に先に向かわせ待機させ、その後曹操が大軍をもって追いかけるとした。

だがそれを聞いた龐徳はまたも馬超に策略を進言する。

短気な曹洪の前であざけりの歌を歌って馬鹿にしたうえ「退屈だ」と言って昼寝を始めた。曹操軍が到着するまで「討って出てはならぬ」という命令を無下にして曹洪は飛び出した。続いて徐晃も止めるために出陣するが伏兵に襲われ慌てて城に戻ろうとするがすでに馬超軍が城壁を登っている。

やむなく曹洪徐晃曹操軍本隊へと逃げるしかなかった。

 

ふたりを迎えた曹操は怒り曹洪の処刑を命じるが

許褚はじめ皆の嘆願で一時的に気を収めた。

 

翌日、潼関の東方で曹操軍三十万は西涼軍二十万と堂々出会う。曹操馬超を呼ぶ。馬超もまた堂々と名乗り上げる。

wwwwwさしもの曹操も論破されてしまう。

馬超はこれ以降もあちこちで弁論戦わせるのがおもしろい。

しかもこの直後襲い掛かる曹操軍の武将を軽く討ちとり両軍入り乱れての総当たり戦となる。

田舎者と曹操が呼ぶ西涼軍は強者でもあった。曹操軍の旗色はみるみる悪くなる。

曹操を身近で守っている許褚は曹軍が崩されていく様を見る。

許褚の言葉で逃走する曹操だが赤いケープが目立ちすぎて脱ぎ捨てる。

が、その前方に馬超がいた。

慌てて逆方向に逃げる曹操。そこに曹洪が現れ追いかける馬超を止めた。

やむなく馬超は引き揚げていく。

この手柄で曹洪は名誉を取り戻した。

 

両軍は渭水を挟んで対陣することとなり睨み合いが続いた。

ここで徐晃が案を出す。別方向から渡河して敵を挟み撃ちにしてはというのだ。

曹操は同意した。

これを聞いた馬超軍では韓遂が「兵半を渡らば撃つべし」と言う。

 

渡河を決行しほとんどが向こう岸に渡ったという時、曹操軍の前に馬超隊が駆け込んできた。馬超はすでに河を渡って攻めてきたのだ。

曹操は驚き慌てる。曹操の周囲にはもう味方の兵が少なかった。許褚は危険を察し

www曹操wwwいやごめん、この場面が見たくて今回読み始めたのよ。

曹操のカッコ悪い場面なんだけど許褚におんぶされて逃げ出すという。

(横山作品でおんぶエピソードは愛情の表現という意識があるのだ)

馬超は仇である曹操を呼ばわり見つける。

ちょこんと乗ってる曹操

丞相をお守りする許褚。

たのもしい。

けど馬超は矢の続く限り射てと叫ぶ。

が、ここで突如馬の大群が駆けてくるという事態が発生してしまう。馬が大好きな西涼の兵たちはこれに我慢が出来ず馬の群れに反応してしまった。

馬が大好き・・・って。

 

ほっとするふたり

ここが見たかった。

私にとって『三国志』史上一番のBL場面なのだ。曹操を傷つけまいと身をもって矢を防いだ許褚。信頼しきってる曹操のまなざし。

曹操、もう関羽なんてどうでもいいでしょ。許褚が一番だよねえ。

この一瞬が永遠なのよ。良かったねえ許褚。

 

馬を放ったのは渭南の県令・丁斐であった。曹操は彼の位を上げ褒めたたえた。

 

曹操は夜襲奇襲に備え陣を強化していく。

が、馬超韓遂はこれをさせじと夜襲を繰り返した。

曹操は城造りを始めるがあと少しで完成という時を狙って馬超は攻撃した。完成間近の城に油壺を投げつけ火をつけ全焼させたのだ。

曹操は懲りずに土塁を築いて地下城を作らせようとするがこれもまた馬超軍によって壊されてしまう。

河の上流に堰を作り雨で水量が増したところで堰を切って落としたのだ。

地下城はひとたまりもなく崩れ落ちた。

 

馬超軍は力攻めだけではなく頭脳戦が得意なのが恐ろしい。

馬超自身だけでなく韓遂龐徳と頭が働く。

さて曹操どうする。