ガエル記

散策

『少年ロケット部隊』横山光輝 その2


ところで本作『少年ロケット部隊』の掲載誌が「日の丸」となっていたので右翼雑誌に掲載されていたのかと思ったのだけどなんてことはない普通に集英社漫画誌であった。本作途中で休刊となり「少年ブック」に移行した模様です。

 

 

 

ネタバレしますのでご注意を。

 

 

 

先日の記事を省みてまず書いておかねばならないのは

作者の横山光輝氏はこれを「単行本化しない」と決められたままで死後デジタル化配信されたものを作者の意志を無視して拝読しているのだからこれを批判するのはそもそも間違っている、

ということだ。

いわば作者が描いてはみたもののボツにして捨てたのを拾い上げて文句を言うのもおかしいはずだ。駄目と思ったから捨てたんだからね。

「その1記事」は書き飛ばしてしまったので今慌ててその旨を付け加えた。

前記事はそこをきちっと踏まえていなかったので悔やまれる。

 

という前提で書いていきます。

 

 

本作の掲載誌が「日の丸」って右翼的作品かなどと思ってしまったのも本作がかなり好戦的に感じてしまい右翼的雑誌及びその筋からの要望で「軍隊賛歌」的に描かれているようにさえ思えたからだ。

軍隊内のシゴキいじめなどは削除され頼もしい友情が強調されていく。とにかく戦いたいという強い意志を持ち有能な少年たちがさらに優秀な先輩に指導されみるみる成長していく。

横山マンガの登場人物はあまりじとじとしてしてはいないし思い悩まず行動していくものだけど本作はそれが上手く行かずにいると今のところ感じている。(4巻途中まで)

 

戦闘場面の作画の変化

2巻前半

 

3巻前半

4巻前半

 

成長していく、と思ったが極端に手抜きになる場面もあり濃度の高低が激しい。

 

こういうロボット場面は横山氏の魅力満載。

 

『少年ロケット部隊』7巻まであるのだけど途中から画面が極端に白くなり別の人が描いたのか?という部分が多くなっていく。

背景もないこの絵はなんだろう。

これでは単行本化したくないかも。

 

物語進行としては円盤の攻撃で東京は壊滅状態となってしまう。

そこへひとり降り立った草間は謎の組織と出会う。

その中にいたのが

村雨龍作。

 

この後が恐ろしい展開となっていく。

助けてきた人々の血液検査をするのだが緑色の血液とわかった瞬間に撃ち殺してしまうのだ。

驚く草間に村雨は「体は人間だが中身は宇宙人なのだ」と説明し「たちどころに殺した方がいい」と言い草間も了解する。

これはあまりにも酷い。

 

というか「たちどころに殺した方がいい」ことを細かく描写すべきなのを省略してしまったんだろう。

 

そして最後までこの緑の血を持った宇宙人の謎は解き明かされないまま終わってしまう。

円盤によって東京は壊滅するがそこに住んでいた市井の人々の思いなどの描写はなくあまりにも不思議な作品である。

 

これまで『宇宙船レッドシャーク』など未単行本化の横山作品を「もったいない」と嘆いてきたが本作は確かに消し去りたい作品だったのだろうと共感する。

繰り返して記すが作者横山光輝氏が生前見せなかった作品つまり自分で良しとしなかった作品を覗き込んでいるのだから申し訳ない気もする。

記事その1を含めここで書いたのは批判や批評というものには当たらない。

横山氏ご自身が作品群から排除した、という事実が答えになっていると思う。

その判断は正しかった。