ガエル記

散策

『三国志』再び 横山光輝 四十七巻

 

 

ネタバレしますのでご注意を。

 

馬岱登場。

なんか嬉しい。

薬と食糧を運んできた馬岱はそのまま孔明の指示で蛮軍の補給路を断つ。

向かった河は恐ろしい毒河だったが地元民からの情報で夜になり水が冷えれば船か筏で渡ることができると知る。

馬岱軍は情報通りに毒河を渡り食糧部隊を襲撃した。

孟獲は副将忙牙長を送り込むが馬岱の一太刀で討ちとられてしまう。

次に出陣してきたのは董荼那。しかし馬岱に「蛮族と言えど丞相の恩をわきまえぬのか」と突きつけられ答えに窮して戻っていく。

 

戻ってきた董荼那に孟獲は激怒する。百杖の罰を命じた。

 

百杖を受けて寝込む董荼那に各頭目が申し出る。彼らは中国に反抗する意志はないのに孟獲がひとりよがりに魏と申し合わせて蜀の境で乱を起こしたことから始まったのがこの始末だ、孔明に勝てるわけもなく恩義もある、かくなる上は孟獲を殺して孔明殿に降参したほうがいいのでは、と。

 

この言葉通り孟獲を殺せばよかったのだろうが董荼那は孟獲を捕えて孔明のもとに差し出し降伏の意を伝えた。

孔明は董荼那に感謝の意を伝え恩賞を渡して帰す。

そして孟獲には蜀の軍備を見せて再び帰順を勧めてから帰したのである。

帰りすがら孟獲孔明を嘲笑い再三の復讐を誓う。

陣に戻ると孟獲は董荼那と阿会喃を騙して呼び寄せ殺害した。

 

孟獲は弟孟優を使って孔明の陣へ赴かせ偽りの降伏の意を伝える。

こうして孟獲は三万の兵を従え夜襲をかけたがそこにはしびれ薬で酔いつぶれた弟がいた。

孟優を連れ出し逃げようとすると王平軍、さらには魏延軍が行く手に待ち構えていた。

部下を戦わせ逃げる孟獲の前に趙雲が立ちはだかる。弟を放り出して逃げる孟獲馬岱軍が捕まえた。

 

再三孔明は兵士も孟獲も許してやり弟・孟優と共に放した。

しかし今度は戻る陣もすべて蜀軍に抑えられており孟獲孟優兄弟は蛮地の南・銀坑洞へ逃げ去った。

 

孟獲の本国は雲南よりはるか南方にあり現在のミャンマーインドシナ半島あたりと想像できる。

その南蛮中部に蛮都があり銀坑洞と呼んだ。おびただしい白金を産したからである。

孟獲は各洞長に檄を飛ばした。

蜀の大軍が侵攻してきた。今諸洞が力を合わせ叩き潰し二度と蜀軍にこの地を踏ませぬためにも立ち上がるのだ。

この檄は成功し諸洞の蛮王と数十万の兵が集まった。孟獲は威風堂々孔明陣へと出陣したのである。

 

その頃孔明は西洱河に竹の浮き橋を架け南岸と北岸に陣を築いていた。

孟獲の数十万の出兵を聞き「しばらくは陣門を閉じて様子をみるのじゃ」と命じた。

孟獲軍はこれを見て裸踊りをして挑発する。

魏延は怒るが孔明は出陣を禁じた。

数日たつと蛮軍の悪ふざけも気合が抜け油断し切ってくる。

これを見て孔明はそろそろ出番だと計略を講じた。

 

西洱河の南陣を空にして北陣へと移る。南陣に入った蛮軍は陣が空なのに驚くがそこに残された物資を盗んで喜んだ。

その夜、南陣営が放火され燃え上がる。

孟獲はまたもや逃げ回ったがどこへ逃げても必ず蜀軍が孟獲を待ち構えていた。

上手く逃げのびた、と思う孟獲の前に孔明の乗った四輪車が現れた。

孟獲孔明を討ち取ろうと駆けだして落とし穴にはまってしまう。

孔明は今度は首を打つ、というと孟獲は「もう一度俺の縄を解いてくれ」と言い出す。

もう一度尋常に勝負しろ、というのである。

 

こうして孟獲は四たび放たれたのである。