ガエル記

散策

『花と光の中』萩尾望都

1976年「少女コミック」14号

はあ?何これ?という作品であります。

といっても悪いのではなく、マンガ作品として素晴らしいのですがとにかくこの男子ルーイの人格に問題があるのです。

 

 

ネタバレします。

 

 

なにしろつい最近になって手塚治虫『シュマリ』を読んだのでこのルーイとシュマリを重ねてしまう。

『シュマリ』は手塚治虫著1974~1976年作品なのでほぼ本作と同時期作品なのはちょっとした驚き。

 

シュマリは元自分の妻だった妙をひとすじに愛していて新しく出会った女性峯とも関係をもつくせに妙の事しか考えていない。

本作のルーイもイザベルの面影だけを追い続けていて同じ名前で違う容姿の女子を罵倒し突き飛ばす。

逆にそっくりな容姿の女性を見つけずっとイザベルと呼び続けるという最低男である。

萩尾望都氏、『シュマリ』からこの作品を描いたのであろうか。

 

とても幻想的な美しい作品に仕上がっているがこんなに腹立たしいキャラもそう多くない。

「一途に思い続ける」という愛情は素晴らしいものとされるがシュマリとルーイにおいては「むかつく」としか言いようがない。

作品自体は綺麗なので余計むかつくwwwww