1978年「週刊マーガレット」26号
原作は「10月はたそがれの国」収録
この傑作選の中でもしかしたら一番有名な作品でしょうか。
一度読んだら忘れられないに違いありません。
ネタバレします。
原作では主人公が男の子である以外にはほぼその通りに描かれている。
原作を先に読んでいるけど女の子の方がぴったりしているように思えるのは萩尾氏のせいか。
いや女の子の方があってるよね。
主人公ドーナはママとふたりきりで暮らしている。いやもうひとり年老いた女性教師がいてドーラに勉強を教えているのだ。
ママは美しく厳格な性格のようだ。
ふたりの会話からこの世界は終わっていてこの家だけが安全らしい。
窓から見える森には恐ろしい怪物がいるという。
ママは「この家だけが世界にあるものなのよ。神様がおつくりになった世界はここだけなの」とドーラに教えるのだ。
ドーラはどこか戸惑いながらもママの言葉を守っている。
ふたりの住む家はかなりの大きさがあるようだ。幾つもの部屋がありドアがある。
しかしドーラはまだ早いとされ禁断の扉を開けることは許されなかった。
が、ドーラは別の階にある「学校」に行く途中で偶然一つの禁断のドアを開けてしまった。
ドーラは屋上に続く階段をのぼって森の向こうを見てしまう。
そこには白いリボンがありその上をカブトムシが走っていた。
恐怖に襲われたドーラは「学校」へ飛び込み、先生にその話をして泣きながら謝る。禁断の扉を開けてしまったからだ。
先生は優しくドーラをなだめお母さんへの手紙を渡した。
怖かったお母さんがドーラに優しくなり読者はちょっとほっとするが直後ドーラの母親は急死する。
何故なのかはわからない。
ショックを受けたドーラは慌てて先生に助けを求めようとするが「学校」に先生の姿はなくそこには化粧ドーランと先生の衣服が置かれていた。
そしてママの側には先生の手袋が片方だけ落ちていた。
ドーラは外へと出た。
「わたしは死んだの」
「死んだの」
「死ぬってなんてすてきなことかしら」
アメリカの話には厳格な親が登場してこどもを縛り付け厳格に育てるという話がよくあるのだけどこの物語もその亜流なのだろう。
自由になることを「死んだの」と表現するドーラ。
彼女がこれからどうなるのかは心配だ。かなりの資産はあるようにも思えるが。
しあわせになってほしい。