1977年34号~1979年3号「週刊少年チャンピオン」
ついに来ました。
この作品は今まで持っていたのにかかわらずよく読めてなかったので今回を機にきちんと読みたい所存です。
ネタバレします。
読んだ人はすべからく阿修羅王の記憶だけは絶対残るはず。
あのビジュアルのすばらしさは無二。
序章「天地創造」
今もかもしれないがかつてのSFの始まりはこうした神々しい厳かな導入部が多かった。
しかしその後そのクオリティを維持できるかどうかは個々に違うが本作はその稀有な例ではないだろうか。
第1章「アトランティス幻想」
一転してプラトン(後にオリオナエ)の牧歌的とも言えるエピソードに入っていく。
彼はアテナイに住みアトランティスを夢見ながら教師を任じていた。そこでの生徒との会話。
「ではイデアは不変なのですか?」
「流転する世にあたって常に我々は永遠なるもの不変なるものを求めてやまないのだ」
この言葉が本作のテーマなのであろう。
そして隣の美人後家さんにふられたプラトンは弟子のグラディウスを伴い古文書を求めてサイスへと旅立つ。
さらにアトランティスの子孫が住むというエルカシアという小さな村へ旅を続ける。
そこで彼は様々な文明(ガラス・電灯・調理など)に驚かされ長老の娘ユメに導かれるままに「宗主」のもとへ案内される。
ここでプラトンは自分が「道標」であると告知され「世界の命運はあなたの肩にかかっている」と伝えられるのだ。
プラトンはユメの手に触れ別世界へ飛ばされた。
気づいた時プラトンはアトランティスの司政官オリオナエとなっていた。
アトランティスはポセイドン神によって守られた栄えた裕福な国だった。
オリオナエの愛する息子ハルトは美しい花嫁をつれてきた。オリオナエは二人を祝福した。
しかしオリオナエは今夜アトランティスの運命が決まることを知っていた。
ポセイドン神は遠い星々の彼方へこのアトランティスを移動させるというのである。
が千年の泰平を享受してきたアトランティス民にとってこの移住計画は受け入れ難いことでしかない。
ポセイドン神の怒声を受けながらオリオナエは述べた。
「新星雲紀双太陽・・・青93より黄17の夏
アスタータ50における惑星開発。委員会は「シ」の名を受けアイ星域第三惑星にヘリオ・セス・ベータ型の開発を試みる事になった。これによって惑星開発委員会が原住民い与える影響すなわち「神」としての宗教の発生」
ここでオリオナエは絶叫する。
「神が実在であると説くよりなぜ惑星委員会が実在すると説かなかったのだ」
気を失ったオリオナエが目を覚ました時、すでにアトランティスの街は火の海と化していた。
オリオナエが倒れた後、ポセイドン神が「アトランティスの移動」を布告しそれと同時に西の空から不思議な闇が迫ってきた。
これに怒った市民が暴徒と化し火の手を挙げその恐ろしい闇は炎の手前で止まったというのだ。
が、オリオナエの眼前で息子ハルトとその花嫁は逃げ遅れ瓦礫に押しつぶされた。
ポセイドン神の声が聞こえた。
「私はこの失敗を告げに帰る。だがこのままでは終わらぬぞ」
オリオナエは「神ならばなぜ我々をこんな目にあわせるのだ」と叫んだ。
再び、彼はプラトンとして目覚めた。
右手には酷い火傷を負っていた。
そしてまた長い旅に向かったのである。
プラトン=オリオナエが可愛い。おじいさんが道標であり水先案内人という設定は今現在では稀有であろう。
とてもいいのにねえ。
これからの旅が楽しみだ。