これは『左ききのイザン』の別バージョン的な物語、と感じました。
ネタバレします。
萩尾望都氏は恋愛において形式より感性を素直に選んでしまう人である。
「それは当たり前」と言われそうだがさて果たしてそうだろうか。
現実より夢を。
リアリストではなくロマンチストを。
貴族の人間よりも野生の狼を。
選ぶだろうか。
他の作品でもそうであり続ける萩尾望都はお伽噺としてわかりやすくその選択を示したのである。
冒頭で『左ききのイザン』の別バージョンと書いたのはそのためである。
すべての話の別バージョンではあるが極めて寓話的に描かれたという意味である。
1979年「