1984年「ぶ~け」10月号
ラブコメSF。
そして萩尾望都SFで重要な男女の性の物語。
ネタバレします。
とにかく不満だ。こんなに欲求不満になる萩尾作品があるだろうか、いやない。
本作はラブ&コメディのほうを重視しているせいでとても知りたい「夜来香星」の住人のセックスの在り方がよくわからない????
あえてぼかしているのかもしれないがココをよく知りたいではないか!(怒)
ルゥは自分のことを「男」だと思っている。
それはルゥに「なにかがないから」なのだ。
それはつまりペニスのことであろうと想像する。(というかそうだろうよ)
つまりネオは「ルゥにはペニスがないから女性だ。しかもおっぱいも(小さいけど)あるし」と推理(?)したわけで異性愛者であるネオは快哉を叫ぶわけだが、そこはどうでもいい。
知りたいのは「夜来香星」の男女性だ。
謎はルゥの父母の発言だ。
今は亡き父母の声がテープパネルに記録されていたのだがそこに「妻は泣く。女の子でありながら〝根”がないなんて。男みたいだと。妻は私のことも〝女みたい”だというほどだ」とあった。
女にあるはずの〝根”とはなんだ。
何故妻は地球人の夫を「女みたい」と言ったのか。
これは想像するしかないがここから推理されるのは〝根”とはつまりペニス状態のものなのだろう。
要するに「夜来香星」では女にペニス(状)のものがあって妊娠の期間それが長く伸びて大地に根を張り養分を摂るのだろう。根は育って子宮となりそこから子供が誕生するのだ。
ではなぜルゥは学者である父親に「女の子だ」と認定されながら男だと思い込んでいたのか。
「この星の男にはなにもない」という。
つまりペニスがないのだろう。
そして女にペニス(状)のものがある。
だから地球人の夫がまるで女みたいと言ったのだ。
このふたりがどのようにして交わりルゥが生まれたのか、そしてそもそも夜来香星の男女はどのように交わるのか。
銀化星が昇る時、皆が同化して集合意識体を作り出し(病人は癒され老いた者は若がえり)交配する、と書かれているがその場合にいわゆる男性側の精液もしくは精子的な物質は存在しないのか。
皆が同化する、ということは一対一の交配ではなく全体的に交配するということなのか。
ではルゥの父母の交配は特殊なことだったのだろうがつまりその時地球人の夫はどのような形態になったのだろうか。
ルゥは学者である父親に「女の子だ」と認定されたものの性器とセックスの在り方がどうなってしまうのかは未知数だと思える。
女の子でありながら、というか女の子であるがゆえにペニスが生じてくる、という現象が起きることはないのだろうか。
ネオはルゥが女子だとわかってにんまりしてるが前途多難な気がする。
というかなりハードなセックス描写(?)が行われるはずの内容なのに肝心のその場面が描かれず、すべては読者の想像にお任せという意地悪な作品なのだ。
とにかくルゥの父母の交配だけ教えてください。
それからルゥとネオの交配は可能なのだろうかとも。
ステキな『ハーバル・ビューティ』はそっちのけだった。
この香りでトリップしてなきゃ(交配)できないのかもしれない。